いつか、私は。

□Chapter 9-9
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辺り一面、水の世界。





強風と波をなんとか凌いでいると、プロンプトくんが帰ってきた。






「なんとか水神まで送ったよ!」


「でかした!」


「お疲れ様、プロンプトくん」


「さて……これでどう来るか……」








市民の避難は完了、王は水神の元に。





ここからは、ノクト王子の――いいえ、ノクトくんの戦い。







応援こそすれど、手を出していい空間ではない。










「……おい、なんだありゃ!?」








グラディオさんが突然叫んだ。





オルティシエよりずっと向こう――ルシス方面から光がさしている。







一本だけじゃない、数本、オルティシエに集まっていた。







その光はある空中の一点に集まり、やがて互いに溶け合う。






「あそこに、ノクトが……?」


「おそらくそうだろう」


「……ノクトくん」








水神様が急に苦しみだした。同時に、所々で青い光のラインが見える。



どうやらその青い光が水神様に攻撃をしているらしい。





そして





「ど、どうする!?」


「どうするも何も、手出しできるような次元じゃねえぞ。行くだけ足手纏いだ」


「…………ひとまず、待機だな」







「……イグニス?」





イグニスはどこか辛そうで悲しそうで――歯痒い表情を浮かべた。




そして水神様とノクトくんとの戦いの中で、周りの揚陸艇に動きがあった。






数隻の揚陸艇が、徐々に高度を下げ始めたのである。






「……帝国が、陸地に降り始めてる!」


「討ち取っとくか」


「……そうだな。無理はしない程度に排除しておこう」


「よし、行こう!」







揺れる足場に、強風。条件が最悪なのは向こうも同じだ。





今、私たちにできることを。







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