いつか、私は。
□Chapter 9-2
2ページ/3ページ
ゲートを抜けた途端、オルティシエの街並みが眼前に広がった。
「わあ……!」
アクアが小さく声を上げて、船の縁へと吸い込まれるように寄っていく。
俺はアクアに着いて行った。
「……すごい、綺麗」
「さすが水都。幻想的だな」
「……うん、ほんと……綺麗だね……」
アクアの長い髪が、風に乗って綺麗にうねる。
それをアクアは手で耳にかけて、景色を堪能していた。
「ああ、綺麗だな」
俺も感想を述べる。アクアはそれを聞いて俺の方に笑いかけた。
「あいつ、綺麗とか言いながら景色全く見てねえけど」
「絶対アクアさんのこと言ってるよね」
「気持ちはわからなくもねえがな」
後ろがうるさい気もするが、そこは放っておこう。
.