いつか、私は。

□Chapter 7-2
1ページ/6ページ







辺りが暗くなってきた。




この遺跡は夜じゃないと開かない。私たちは今ならばと遺跡に近づく。





「ここ、何の場所だったのかな。イグニス、知ってる?」


「いや」


「住んでた人はどうなっちゃったんだろう」


「中に入って捜してみなよ」







遺跡の扉に近づくと、すんなり開いた。



長い階段にしびれを切らしたプロンプトくんがため息をつく。




「どこまで続くのー、この階段」


「結構深いんだねー……」




古代遺跡ってすごいなあ。こんな地下にまで行くなんて。



降りて降りて、ようやく平地が見えてきた。



プロンプトくんは喜んだけれど、すぐに顔が変わる。











「あれ、なんで明かりついてんの……?……まだ、誰かいるのかな……?」


「まさか?」


「歓迎は期待できないね」


「いるとしたらモンスターとかシガイかな……?」


「用心しておいた方がいい」


「待ち伏せされてるってこと!?」


「かもな」


「んー、そうなると厄介だね」


「は、はは――ちょっと帰りたくなってきた」








ふむ、やっぱり入り口でアラネアさんが言っていたように『手強いのばっかり』なのかも……。




と考えていると、肩をトントンと指先で突かれる感触。




振り返るとアラネアさんだった。




「そういえば聞きそびれてたんだけど、お嬢ちゃん、名前は?」


「え、は、はいっ、アクアといいます……!」


「ん、アクアね」



よろしく、と微笑むアラネアさん。




……か、かっこいいなあ……。





.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ