いつか、私は。
□Chapter 7-1
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数日後、俺たちはミスリル探しに出かけていた。
運転手はノクト。
後部座席には俺とアクア。少し広いレガリアも久しぶりだ。
「滝の洞窟はこの辺りだったな」
「ここから北の方って言ってたっけ」
「帝国軍がいるかもしれない。油断はするなよ」
「あ、それより後部座席−、一人いないからっていちゃつかないでねー」
「ぷ、プロンプトくん……!?」
「善処はしよう」
「絶対しねえやつだそれ」
気持ちだけでも褒めてもらいたいものだな。
トンネルの前。重厚な扉があったが、まるで何も防ぐ理由がないように開いた。
「あれ、ねえ、封鎖されてた?」
「あっさりだったね?」
「止められはしなかったな。わざわざ開けて待っていたかのようだった」
「なんかこういう時ってあの人出てきそう」
「あー……」
「帝国の宰相か」
「案内してくれんなら別にいーけど」
「え、いいの?」
「いや、気を許していい相手ではない。……しかしこんな状況ならコル将軍に手助けを頼みたいところだが」
「そういえば見ないね、忙しいのかな」
「メルダシオに王の墓所捜索を頼む代わりに、難しい退治依頼を引き受けているそうだ」
「相変わらず働きもんだな」
だが将軍らしくもある。
話しながらさらに進むと遠くに湖が見えた。
プロンプトのリクエストで写真を撮り、そこからまた奥の方へ行く。
木は生い茂り、地面は湖と面しているせいか所々水たまりができている。
四人で遺跡の方へ歩いていた。
が、そのときだ。
「やあ、この先に用事?」
噂をすれば、というよりしてしまったが故、だろうか。
帝国の宰相だ。
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