いつか、私は。

□Chapter 6-4
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途中何度か休憩を挟みつつ結構長い距離を走行した。





レガリアの皆の会話は聞こえなかったけれど、イリスちゃんは楽しそうに笑っている。よかったよかった。







橋を渡りトンネルを抜け、と走っていると少し大きめの灯台が見えた。




ここかなあ、と思っているとイリスちゃんがこちらを向いて満面の笑みで灯台を指さす。口元は「ここだよー」と言っているみたい。




微笑ましくて笑いながら片手で合図を返す。









カエムの岬。目的地だ。








レガリアの速度が遅くなるにつれ、私も減速。





そして駐車。ここでこのバイクとはお別れだ。ありがとう。





ヘルメットを取って息を吐くと、レガリアから降りたイグニスがこちらへ歩いてきた。






「お疲れ、アクア」


「イグニスこそお疲れ様ー」





バイクとヘルメットを置いて皆と合流。

ノクト王子が灯台へ行くのに着いて行った。





「立派な灯台だな」


「おっ、登ってみます〜?」


「風は強そうだが、眺めは良さそうだ」


「うん、景色見たいね」




少し進むと、道にシドニーさんがいた。




「来たね、車の音がしたから迎えに来たよ」


「おおー、ありがとう!」


「シドニーさん、バイク本当にありがとうございました!」


「あはは、いいよいいよ。こっちも助かったし。適当に置いといてくれたらまた回収するね」




と、ここでイリスちゃんとの旅は終了。


短い間だったけど、上手く心のケアになったみたいで、「一緒に旅ができて楽しかった!」と上機嫌だ。



うん。よかった。







再び五人に戻った私たちは、シドニーさんの後ろについて道を歩く。





「船は?」


「じいじが整備してるよ。ただ、ちょっと時間かかりそうでね」


「何か問題が?」


「思ったより傷んでる。部品交換での修理がいるかな」


「修理か……」


「まあ、しばらくじいじが泊まり込んで直すってさ。で、船の部品なんだけど、色々調達するの頼まれてくれる?」


「お安い御用です!」


「もちろん構わない」


「ああ、そうは言ってもね、王都のダスティンとモニカ。あの二人も調達を手伝ってくれて、もうだいぶ揃ってはきてるんだ」


「さすがは元警護隊か」


「そんな二人が苦戦してるのが『ミスリル』って珍しい鉱石。この辺じゃ採れないらしいんだ。あの王都から来た子が教えてくれて」


「タルコット?」


「そうそう。王都の子は賢いんだね。まあ詳しいことは彼に聞いてみて」


「ああ、わかった」







『ミスリル』…………。


これさえ集めればほとんど心配ないのかな。





「じいじは船着き場にいるよ。……で、悪いね、私は工場があってさ。自分の荷物取ったらこれで帰るつもり」


そう言ってシドニーさんは去って行く。あ、私が使ってたバイクもこれでハンマーヘッドに行くのかな。





シドニーさんにお礼を言っていると、少し遠くから声が聞こえた。






「ノクティス様〜!!ここ、僕たちの家なんです。こっちへどうぞ!」




タルコットくんだ。





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