いつか、私は。
□Chapter 6-1
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出発の日の朝、目が覚めた。
時計を見ると短針は四時を指している。
早く起きすぎた、もう一度寝直そうと思ったが、なぜだか眠れない。
しかたない、と上半身を起こす。
「うっ……ん……」
隣ではアクアが寝ている。
ちなみにベッドは二つあるが、別々で寝るような間柄でもないから二人で一緒だ。
しかし、悪夢でも見ているのだろうか、先ほどからうなされている。
俺はもう一度上半身をベッドに預け、アクアを抱き寄せた。
お前が夢でまで苦しまないように。
せめて夢でも俺が傍にいられるように。
そう願いを込めて、眠っているアクアを抱きしめた
アクアはごそごそと動きつつ、俺の胸へと収まる。
それから――寝たまま俺の胸へと頬ずりをした。
俺の心臓の鼓動が少し早くなる。
「っ……アクア」
「んん……いぐにす…………」
俺の名前を呼んだ。起こしてしまったかと顔を覗き込むが、寝言だったらしい。
そして表情も柔らかい。どうやら安心してくれたようだ。
今日は出発の日。できるだけ寝かせてやりたい。
それにアクアはこれから少し大変になるからな。
俺はそのままアクアの背を撫でながら、朝を待った。
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