いつか、私は。

□Chapter 4-2
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準備を整えた後、私たちは再びアーデンさんの車を追いかけてカーテスの大皿に向かった。








あ、以下、車中の会話です。






「かなり暑い場所へ入ることになるが、カメラは大丈夫か?」


「ああーそうだね。隕石の炎なんて行ったらどうかな」


「オーバーヒートとかしそう……」


「壊れても替えはねえんだろ」


「車に置いてくか?」


「いや、持ってくよ。せっかくメテオの近くに行くんでしょ。巨神の姿も見えるかもしんないし」


「写真に収めなきゃ気が済まねえか」


「置いてって撮れないより、持ってって壊れる方が後悔しない」


「かっこいいな」


「さっすがカメラマンだね」


「――って思おうと思ってる」


「うん、頑張れ」


「イグニスの眼鏡って、熱は平気なの?」


「おそらく問題ないと思うが」


「まあ、ダメになってもそんなに困んないだろ」


「極端に悪いわけじゃねえしな」


「えっ、そうなの?」


「“一応”平気だよね」


「まあ、ないと何も見えないわけではないんだ」


「ええ?だったら普段取っとけば?」


「いや――」


「そこは違うんだよな」


「イグニスの性格と言いますか何と言いますか」


「ハッキリ見えねえと気分が悪いんだと」


「まあ、ぼやけているのは好きじゃない」


「はあ、やっぱきっちりしてんだねえ」


「それに、アクアの顔もちゃんと見たいしな」


「へっ……!?」


「そして変なとこできっちりしちゃうんだねー、イグニスは」


「もはや病気だな」


「アクアの病気ならかかっている自信はあるが」


「あ、いや、ええと……」


「おいイグニス、まだ着いてねえのにアクアが高熱になってるぞ」


「はいはいお熱いことで」


「ううー…………」


「ところでイグニス、運転席以外って気分どう?」


「恐ろしい」


「恐ろしいのかよ」


「昔の王子の運転を知っている身としてはな」


「そりゃどーも」


「本でも読んでろ、気が紛れるぞ」


「ああ、そうだな。だが今はいい」


「だいぶ不安なんだね」


「昔のノクト王子の運転ちょっと気になる」


「――さっきさ、本でも読めっつった?」


「俺がか?」


「うん、車で読むと酔わない?」


「酔うだろ」


「だよね、俺そんなのやったら吐く」


「慣れりゃ平気だろ」


「グラディオさんすごい……」


「先に吐くのに慣れるね」


「鍛えがいがねえな」


「鍛えてどうにかなるか?」





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