いつか、私は。

□Chapter 4-1
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「ではどうぞ、安全運転で」






注意事項をしつこく言った後、男が先行して進みだす。その後に続いて、俺たちも出発した。




車の中で俺たちはいつも通り喋り始める。



「皆、アーデンさんとはどこで……?」


「ガーディナで会った。あの時から胡散臭かったが……」


「旅行でもしてんのかな?」


「旅行で偶然っていうには無理がある。やつは俺たちを待ってやがっただろ」


「俺もそこが気になる。……そして、どこの人間なのかも」


「帝国人、っぽくもないけど」


「といって、ルシス人でもねえよな」


「正直関わりたくない」


「うーん、初対面で申し訳ないけど、やっぱり怪しいよね……」


「でも断ったら、『カーテスの大皿』には入れない」


「王子はどう思う。あのおっさんをよ」


「うーん? ただの変な中年としか」


「だよね、俺も同じ」


「とりあえず最初の作戦通り――」


「やばければ戻る、だな」


「……ノクト、頭痛は平気か?」


「今は平気だ。たまに来る」


「運転中にひどいのが来ねえといいな」


「やばかったら止まってね」


「効くかはわからないけど、一応頭痛薬もあるから」


「……わりぃ」


「この先に標はあんのか?」


「――っていうか野宿すんの? どっかでちゃんと休もうよ」


「野宿でちゃんと休みゃいいだろ」


「せめてモービル・キャビンでしょ。外のどこがそんなにいいの」


「自然の中だってのがまず最高だろうが。時間にも追われねえし、勝手気ままにやれんだろ?」




プロンプトとグラディオが謎の合戦を始めようとした頃だ。



先行している男の車が、近くの拠点へと入っていった。





……どういうつもりだ。




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