いつか、私は。
□Chapter 3-1
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車の中で色々話していると、ガソリンスタンドに到着した。
長旅になるだろうから給油しておこうということでいったん降りる。
「んー……自然が多くて気持ちいいねー」
「そうだな。いい食材も採取できそうだ」
「あ、いいね。玉ねぎとかナツメグとか取れそう」
草原を見ながらイグニスとそんな話をしていると、少し遠くにガルラの群れが見えた。
大きいガルラもいれば、小さいガルラもいる。
……うん。
「あとは……肉だな」
「……肉だね」
イグニスも同じことを考えたらしい。
ガルラやトードには悪いけれど、後で狩らせてもらおう。
「……アクアさんって、結構血の気多い?」
「さあ? 仕事病なんじゃねーの?」
「人は見かけによらねえ、ってな」
なんだかプロンプトくんとノクト王子とグラディオさんが話しているけど、あんまり聞こえなかった。なんだったんだろう。
ちょっと休憩しつつ話していると、ノクト王子の電話が鳴った。
「はい……イリス?」
全員の顔がノクト王子の方へ向く。
相手はグラディオさんの妹さんのイリスちゃん。もちろん私も仲良くしてもらっている。
「……うん、レスタルムな」
ノクト王子が電話を切る。グラディオさんが苦笑しながら話し出した。
「イリスか。まったく、兄貴にかけねえで」
「王子の声も聞きたかったんだろう、心配していたはずだ」
「イリスちゃん、会いたいなあ……」
「彼女はレスタルム? いっかい合流するの?」
それじゃあレスタルムに向けて出発……かと思ったら、プロンプトくんがノクト王子の肩を叩いた。
「そこの看板見た? チョコボだって、見たくない?」
「チョコボ……!」
つい反応して声を上げてしまう。隣でグラディオさんがぷっと吹き出した。
なんだか恥ずかしくなって口を手で隠すと、イグニスの手が私の頭を撫でる。
見上げると、イグニスが苦笑していた。
「チョコボに嫉妬しそうなんだが」
「っ…………だ、だって……動物可愛い」
「おいおい、レスタルムは後回しか?」
「まだ先じゃん。ちょっとだけ寄ろうよ」
その話を聞いて、ノクト王子は少し考えた後頷いた。
「よし、見に行くか」
「おお、楽しみ!ねっ、アクアさん!」
「うんっ!」
雑誌でしか見たことなかったけどついに生チョコボかあ……。
乗れたりするって聞いたことあるけど、できるかな?
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