いつか、私は。

□Chapter 2-4
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モンスターたちを倒して少し進むと、大きな建物が見えた。







「あ、これが王の墓所かな」



「ああ、着いたな」



「これ、お墓かあ」



「将軍は中か」






扉を開けて、中に入る。



すると、中にはコル将軍がいた。





「将軍」



イグニスが声をかけるとコルさんはゆっくりこちらを振り向いた。




「ようやく来たな、王子」



「で、俺は何すればいいって?」




ノクト王子が少し投げやりに言う。


コルさんは先代王が持つ剣に手をかざしながらノクト王子の問いに答える。



「亡き王の魂に触れることで、力が新王に与えられる。これは魂の棺だ。――力を得ることは王の使命でもある」



「国もねーのに『使命』か」




ノクト王子が悪態をつく。イグニスとグラディオはその言葉を聞いて少し何か言いたげな顔をするが、その前にコルさんが話す。



「お前の自覚を待っている暇などない。王には、民を守る責務がある」



「で、王子だけ逃がしたのか?……バカじゃねーの、王が守るのは息子じゃねーだろ」




相変わらず、ノクト王子は俯いている。コルさんは彼に近づいていく。



「王子、いつまで守られる側でいる。お前は、王の責務を託されたんだ」






昔もそうだったけど、こういう時、少しだけ考えてしまう。



まだ私よりも年下の彼が、『次代の王』という大役でいることが、どんな重荷なのだろう。


そして今、突然王である責任を負っていることが、どれほどのプレッシャーなのだろう。



など、私が余計なことを考えていると、ノクト王子が口を開いた。







「託したって……じゃあなんで言わなかったんだよ!笑って送り出しただろ!?俺は――」






ほとんど初めて見た、ここまでの彼の激昂。


私はただ、見ているしかできない。





「騙されたじゃねーか……」





全員が俯く。しかし、コルさんは表情を変えずに話を続ける。




「あの日は、王としてではなく、父親として息子を送り出したかったそうだ」




ノクト王子は小さく呻く。それでも、コルさんは言葉を続けた。




「お前になら――新王になら、この国を、民を託せると信じたからだ」



「……勝手なこと言いやがって」






ノクト王子は、顔を上げた。


そして、先代王の剣に手をかざす。





淡く、しかし眩しいほどに輝く光が周囲を包んだ。



剣は透明な宝石のように輝きながら宙に浮き、ノクト王子の胸のあたりを貫いた。


驚くが、怪我などは一切ない。”宿された”という表現の方がいいのかもしれない。








「王家の力の一つが、お前に受け継がれた」






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