いつか、私は。
□Chapter 2-2
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隊列に、加えてもらえた。
モンスターやシガイと戦うのはちょっと怖いけど、仲間に入れてもらえたからには尽力していきたい。
……とにかく、まずはガレージでシド・ソフィアさんにお話を聞いた。
「――目的は『クリスタル』と『指輪』を奪うことだった」
帽子が影になる形で俯きながら話し出すシドさん。
隣でイグニスが口を開く。
「停戦の意思は、初めからなかった」
「…………」
全員が黙り込む。
王は……。
「……何、騙されてんだよ」
ノクト王子が小さく話す。
すると、シドさんが首を振り、おもむろにレンチを取る。
「バカ言え。――そう簡単に騙されるもんかよ」
すると少し頭を上げて、ようやく顔が見える形になった。
「王都で起きてたのは一方的な襲撃なんかじゃねえよ。あいつは城で戦争したのさ、迎え撃ってやるつもりでな」
ノクト王子がハッと顔を上げる。私たちはただじっと彼を見た。
「……だが、備えちゃいたが、力及ばなかったってのが現実だ」
しばしの沈黙。
帝国とは、やはり大きな存在なのだと改めて実感してしまった。
「……細けえことはコルの坊主に聞きな。俺はレギスと顔も合わせちゃいねえんだ、もう何年も前からな」
そういうとシドさんは黙ってガレージを後にした。
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