いつか、私は。
□Chapter 1-2
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イグニスが旅立って、数日が経った。
あの日から変わらず連絡も取りあい、イグニスだけじゃなくてみんな元気そうなのがとても安心する。
そして、今日。
「停戦協定、かあ……」
インソムニアはもちろん、ルシスの国すべての人々が注目するこの日。
そりゃあそうだ。インソムニア以外のすべての領土が、帝国へと引き渡される。
その代わりに、ずっと戦争を続けてきた帝国との戦いがようやく終わる。
終わる、のに……
「なんだろう……この胸騒ぎ……」
なんとも言えない、大きな不安が襲ってきた。
イグニスはどうしてるんだろう。
もう船とか乗ってるのかな?それともまだ?
もしかしてもうオルティシエだったりして?
「……」
なんで急にこんなこと思っちゃうんだろう。昨日までは大丈夫だったのに。
「……会いたいなあ……」
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