いつか、私は。

□Chapter 1-1
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「ん……」





眠っているアクアの頬をつつく。








昨日の夜は無理をさせてしまったからギリギリまで寝かせてやりたい、という気持ちはあるが、そろそろ起きる時間だ。










「あさ……」







アクアがゆっくり目を覚ます。





まだ焦点の定まらないとろんとした目は、どうも俺の理性をかき回したいようだ。










「起きたか」






精いっぱいの平静を装った。



さすがに、このまま昨日の続きをもう一度……というわけにも残念ながらいかない。







「おはよう…ございます……」







上半身だけ起こし眠そうに目をこするアクア。





その姿がいかに愛くるしいかわかっていてやっているのか。













「ああ、おはよう。さっそくだが着替えてくれ。その恰好では風邪をひいてしまう」






あたまに“?”マークが浮かんでいたが、自分の恰好を見て昨晩を思い出したようだ。何も身に纏っていない体がすべてを物語っている。






「あ……」





「ほら起きろ。なんだったら着替えでも手伝ってやるが」






「け、結構です」










…………半分本気だったのだが。





アクアは顔を真っ赤にしたまま固まっている。






「……っ………」







どうやら鮮明に思い出したようだ。さらに顔が赤くなっていく。ああ、かわいらしい。







「どうした?」





「う、ううん!な、何でもないよ!」






「そうか。なら早く着替えてくれ。さすがにいつまでも裸のお前を見ていると、我慢ができない」








「着替えます!すぐに!」










だから一回あっち向いてて!と言われ、大人しく逆方向を向くことにする。








いつまでも初々しいアクアにどうも俺は頭が上がらないようだ。






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