短編
□クリスマスSS
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ミレニアムタワーの58階。そこは真島組が事務所として使っている階数の一部だ。
何があるか、と聞かれれば色々だが、本日はなんだか様子が違うようである。
「――皆さん、お揃いですね」
58階、真島組会議室。いつもは組員の溜まり場としてしか機能していない場所だが、今日は違う。
「おう、誰も通さんようにしとるやろうな?」
「ええ。その辺は若衆総出で当たっています」
真島組若頭、舎弟頭、本部長、幹部3人、そして上座には組長の真島吾朗。組織の重鎮が勢揃いである。
真島の言葉に、司会の東山という幹部は頷いた。
「それでは、第3回真島組特別会議を始めさせていただきます。まずは班ごとの報告から」
「ほな、一班代表である私から行かせてもらいますわ。こちらをご覧ください」
若頭がすっと手を挙げる。全員の視線がそちらに向いた。若頭はそれを確認して、フリップを手に取った。
会議室のホワイトボード。そこには――。
「先日組員全員に行ったアンケートの、奏さんの回答です」
『奏さんへのクリスマスプレゼント計画会議』と書かれていた。
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