狂犬の娘

□十章「娘と、正義の味方2」
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「っ、やっぱり、多い、ですね」



「ヒヒヒヒ!!ほんまやなあ!!入れ食いやで!!楽しゅうてしゃあないわ!!」



「っと」






ゾンビの呻き、爆発音、そして真島の楽しそうな声をBGMに奏は引き金を引き続けた。







ハンドガンは一体一体倒すのにはなんとかなるものの、さすがに真島のショットガンとは数の捌きが違う。




粗い真島の取りこぼしたゾンビにとどめを刺すといった立ち回りだが、それでもだ。






「新しい銃、考えた方がいいのかな……」


「奏ちゃん何か言うたかー!?」


「言ってないですー。それよりそろそろヒルズに着くんじゃないですかー」






少々遠くにいる真島の呼びかけに答えると、真島はまた「せやなー」と大声を出して奏の元に寄ってきた。





七福通りから逸れる細い道を抜け、公園前通りに出る。ここにもゾンビは山ほどにいた。






「―――――――――!!!!!」








ナキオンナの甲高い悲鳴が響く。思わず耳を塞ぎそうになるが、堪えた。だいぶ慣れてきたのだろうか。





「うるさい」




奏はナキオンナに集中砲火。悲し気な悲鳴を最期に、消えていった。












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