短編

□主人公設定
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時系列:特に決めていませんが王都を出発する前です。








「お、あれアクアじゃね?」




とある日の昼下がり、ノクトは友人のプロンプトと共にルシスの町を歩いていると、見知った人影が目の端に入った。




彼女の名はアクア。何を隠そう王子の側近イグニスの恋人である。
その縁もあって、二人とは知己の間柄である。





「ほんとだー、今日仕事ないのかな」



「さあ。でも私服だしそれっぽくねえ?」




「あ、ノクト王子〜、プロンプトくん〜」




ノクトとプロンプトが話し合っていると、アクアが二人に気付いた。




波を打つふわふわの髪を揺らしながら二人の元へ走ってくる。




「何してるのー?」









途端。








「あっ」




あろうことか、道端の石に躓いた。



アクアの面前に石畳が近づいてゆく。人の性ゆえか、恐怖によりアクアはぐっと目を閉じた。






「あぶねえ!!」
「アクアさん!?」




ノクトとプロンプトが慌てて手を伸ばした瞬間のことだった。











「アクア」










アクアに痛みはない。痛みの代わりに、腹部に人の手が回っている。そして聞き覚えのある優しい声。




アクアはゆっくりと目を開いた。目の前には、おそらく自分がぶつかる未来もあったであろう石畳。





「あ、イグニス!」





腹部にある手は、最愛の恋人、イグニスのものだった。イグニスはふうっと息を吐き、アクアの体勢を整える。






「大丈夫か?」





「うん、ありがとう!」





「まったく……驚かせないでくれ。俺がいたから怪我はなかったが……」





「ごめんなさい……でも助かったよー、ありがとう」





完全に二人の世界のようである。ノクトとプロンプトは伸ばしていた手を引っ込めた。




「一つ疑問があるんだけどね、ノクト」


「……ああ」


「……どっからイグニスいきなり出てきたの」


「周りにいる様子もなかったしな……」





謎は深まるばかり。それでもアクアは特に気にする様子もなく、ただイグニスの隣でほほ笑んでいる。









まあ、いいか。
どうせたまたま通りかかっただけだろう。





そう思うしかないノクトとプロンプトは二人の世界に浸っているイグニスとアクアの元を後にした。







小話・完(グラディオ兄貴ほんとごめん、めっちゃ好きなのに)




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