ヒロイン生活始めました。
□01.ふたり
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どうも〜!いーちゃんとラブラブ恋人同士になった成瀬凛でっす!おひさ〜♪
………って言ってもまだ一向に進展してないけどね!!
いーちゃんとお付き合いすることになって皆に挨拶に行ったのが1ヶ月前。
いーちゃんからの告白で嬉しさのあまりキスした私だったけど、結局あれからキスどころかチョメチョメもまだだし、むしろ二人きりになると異様にいーちゃんが警戒するようになってなんだか最初の状態に戻っちゃってちょっと不満な成瀬凛です!
……いや不満っていうかね、せめて恋人なんだからハグとキスくらい許してくれてもよくない!?
だって週末はお泊まりしてくれるんだよ?そうじゃなくても週4ペースで会ってるんだよ?それなのにこの距離!!
私はソファの端っこで体育座りするいーちゃんを反対側のソファの端っこからじと見する。
「………な、なに。」
私の視線を感じたいーちゃんは何故かビクビクしながら聞いてくる。
『……ねぇいーちゃん?私といーちゃんは付き合ってるんだよね?』
私の問いに戸惑いながらも小さく返事をうついーちゃん。
『なら、もっと近づいてもよくない!?せめてブラック工場の時くらいの距離感にして!?いーちゃんの髪に私の匂いつけて乾かして、添い寝くらい許して!?お願い!!』
「む、無理。アノトキハドウカシテタ……。」
『なんでカタコト!?疲れで朦朧としてたけど!……分かった。それならせめて一緒にこたつに入って?』
最近寒くなってきたから、我が家のテーブルはこたつに様変わりしていた。
だっていーちゃんと言ったら猫じゃん?猫と言ったらこたつじゃん?
いーちゃんはそれなら、とソファからおりてこたつに足を突っ込んだ。
……うん、分かってた。分かってたけどさー、………隣に座らんかい!!
何故か私の反対側に腰をおろしたいーちゃんを見て内心盛大にツッコむ。
……負けない、私はこれくらいじゃ負けないぞぉぉぉぉ!!
バサッ!と勢いよくこたつ布団を捲って、私は頭からこたつの中に潜り込んでいく。
「は!?え、え、何してんの!?」
慌てて横にずれたいーちゃん。その時に出来たちょうどいいスペースから私はすぽっ、と頭を出した。
『だっていーちゃん全然傍に来てくれないから、私が行くしかないじゃん?』
捕獲成功!!と、どさくさ紛れにいーちゃんの腰に抱きつけば、いーちゃんは何故か猫耳と尻尾を出していて、真っ赤な顔を両手で覆い隠していた。……ちょ、なにそれ、超絶かわいい!
「〜〜〜っ、……マジで、勘弁して……。」
『えっ、なにそれいーちゃん!!猫耳と尻尾出せるの!?可愛いんだけどぉぉぉぉ!?どうしたのそれ!?』
「〜〜〜お前のせいだろぉが!なにこれもう逆にホラーなんだけど!?可愛いのはお前だよ!もう責任とって末永く幸せにしろよゴラ゛ァ〜!」
『え、なにどうしたいーちゃん!?おこ?おこなの?それでも可愛いけど!』
「……アッ、無視ですか。いいですけど。」
すん、と真顔に戻ったいーちゃん。
何言ってんの、私がそんな嬉しい言葉、無視するわけないじゃん。
『こちらこそ末永くよろしくね、いーちゃん』
ちゅ。
両腕に力を入れて上半身を一気に持ち上げて、いーちゃんの唇をもう一度奪ってみせれば、引っ込んでいた猫耳と尻尾がニョキッ!といーちゃんからまた生えてきた。……ほんと、クソかわいい!
「〜〜〜っ!?……い、一度ならず二度までも!!」
『猫の姿の時合わせると3回目だけどねー♪次はいーちゃんからしてね?』
「はぁ!?〜〜〜っ、……来世に期待して。」
『えっ、来世も一緒になってくれるの?……やば、ほんといーちゃんかっこいいわ〜』
「(か、かっこいい!?)〜〜〜っ、……今度眼科紹介する。」
『いや別に目悪くないから大丈夫!』
あー、マジで私のいーちゃんクソかわかっこいいわぁ〜〜〜。