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□白昼夢は捕まらない
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「今度はなにをするつもりなんですかね」
「いえ今回は普通に探索するだけです」
「その割にはこいつがくっついてるんだけど」
「だ、だって名無しさんといたい…」

名無しはブォンと木製バットを素振りしながら言う。いままで散々やらかしたジョーカーに対しての警戒は恐ろしいものだった。

「なんで二人なんですかね」
「た、たまたまです…」
「へーそんなことあるんだへー」
「は、はは…あの、本当にね…?」
「帰る」
「待って待って本当に本当なんだって!!」
「名無しさん!おいて行かないで!!」

ジョーカーの引き止めも無視してメメントスから飛び出る。後ろから暁が慌ててかけよる。

「今回は大人数で行くようなもんじゃなかったし、ペルソナ合体で用があったんだってば」
「お一人でどうぞ」
「いやそのほら彼女とは離れたくないっていう…」
「ほう、その本音を深く掘り下げてやろう、要求はなぁに?」
「そりゃ、あわよくばってあったけどそれはもうしないからってホントまってーー!!見捨てないでー!」

公衆の前だが都会の風潮か誰も気にしなかった。名無しさんも気にしなかった。

「名無しさん!まって!」
「待たないって言って…あれ?」

手を掴まれて、歩みを止められた。振り返り怒ったが誰もいない。しかし手にぬくもりはある。これはなんだろうか。

「えっ…」
「おいてかないでー!」
「うえええ!?なに!?誰!?いやなに!!?」
「名無しさんっどうし…た?」

名無しさんの手を握っているのは暁ではなく、彼にそっくりな子供だった。

「は!?暁!?どういうことこれ!!」
「俺もわかんない…!」
「俺暁だよ!来栖暁!!」
「って申してますけどこの子…そっくりっていうか同じ…」
「まさか、認知上の…」

来栖暁という人物をそのままそっくり子供にしたような見た目だった。違うとすれば瞳が黄色ということだろうか。

「…ついてきたの?」
「うん」
「そっか、戻ろうか」
「やだっ!」
「暁、メメントス開いて」
「任せろ」

秒でナビを開き、メメントスへと戻る。すると子供だった彼はジョーカーと同じ背丈に戻った。

「ご都合主義かよ」
「まったくだ」
「名無しさん…」

二人は悪態をつき、彼は名無しさんにベッタリとくっついていた。時たま尻やらを撫でてくるがそこは思いっきり叩いて逃げる。

「とにかく貴方はここにいなきゃだめ」
「いやだ、離れたくない、名無しさんと一緒にいたい、ずっとセックスしてたい!」
「わかる」
「いい加減にしろ?」

とにかく彼を遠くに放りなげてそのまま二人は急いでメメントスから出た。

「びっくりした…」
「大体あんたが変な認知を作るから…!!」
「でも出られるなんて思わないだろ!?」
「名無しさんー!」

いる、彼女の後ろにぴっとりとくっついている。

「おかしいでしょ!だめです!お家!!ハウス!!」
「やだやだ名無しさんといるの!ずっと一緒がいいのー!」
「わがまま言うんじゃない!」
「やだー!!」

子供特有のわがまま攻撃が子供をもっていない二人を襲う。これが大きい暁なら彼女はバットで尻を叩いていたところだ。

「…貴方ここにいてもどうしようもないでしょ?」
「名無しさんんちいく!!」
「まて、それは俺が行く」
「来なくていいです」
「ねぇ〜名無しさん〜!」
「だめ」

子供のせいでいつもはうっとおしいおねだりも可愛く見えてくる。まして恋人の子供姿なんて胸キュンにもほどがあるのだ。

「っとにかく君は戻るの!」
「やだっ!」
「わがままな子は嫌いです!絶交します!」
「「えっ…」」

上と下から同時に驚く声がでてきた。

「名無しさんに散々わがまま言ってきた…俺のことが、嫌い…?」
「やだー!名無しさんきらいにならないでー!!」
「そうしたいならおとなしく帰りなさい」
「いい子にしたら、嫌いにならない?」
「ならないよ」

よしよしと頭を撫でる。以外にもそが恥ずかしかったのか顔を真っ赤にして照れた。

「さ、帰ろう」
「…うん」

ナビを起動させて、おとなしい彼をメメントスに帰した。そして戻ってくると泣きそうな顔をした暁が立っていた。

「えっ!?なんで泣いてんの!?」
「だ……ぎら…嫌わないで…」
「いやなんの話よ!!」





白昼夢は捕まらない





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