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□彼はそんなに魅力的か
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気まずい。
そう考えるのは恐らくこの空間全員であろう。
いや、一人だけ無関心だろうか。その一人はジュースを飲んで携帯を見ている。




「あれ、貴方たしか…」
「どうも」
「偶然ってあるもんね!買い物?」
「まぁ、そんなとこ」
「私達もそうなの、よかったら一緒に遊ばない?」
「私なにも楽しいことできないけど…」
「交友関係を深めるのは大事だぞー!」
「はぁ…」

たまたま、本当にたまたま出会ったのだ。名無しさんは祐介と同じ洸星高校に通う普通の一般市民である。何故か怪盗団のことを知っており、さらになぜどこで知り合ったのかわからないがわが怪盗団のリーダーの彼女である。

そんな他校であり、交流もままならない彼女に出会えた女子メンバーはあれよあれよと名無しさんを引き込み

カラオケにきてしまった。



そして冒頭にいたる。

怪盗女子メンバーはチラチラと名無しさんを見つめ、そわそわと落ち着かない。張本人は知ってか知らずか携帯を眺めて飲んでいたジュースを置いた。

「私たちは似てるのかもしれないわね。男の趣味とか」
「「ぶっ!!!」」

とんだ爆弾発言に名無しさん以外が吹いた。むせる者もいた。

「なん…なんの…」
「あら、そういうことじゃないの?」
「もうちょっとオブラートに包むとかそういうのないの!?」
「ごめんなさい私ねちっこいの嫌いなの」

あっさりとした彼女に全員が唖然として咳ばらいをする、そして彼女からのカミングアウトによって姿勢をただして質問をする。

「その、あき…来栖君は…面倒見が、いいのよね?」
「…ストレートに女たらしって聞いていいんだけど」
「だからもうちょっと隠そうよ!?あんた彼女よね!?」
「彼女だからって彼氏をたてる理由にはならないわ」
「な、なんて奴なんだ…!ギャルゲーの隠しキャラでもこんなやついないぞ!」

さっぱりした彼女の発言に杏の突っ込みは止まらない。

「…あれの被害者が出る前にって思ってたんだけど、この調子じゃもっと出てるわね…」
「被害者って私たちのことかな…?」
「いい機会だから、彼の悪口大会で評価下げてあげるわ」
「なんで!?」

足を組み、女子たちに口元を釣り上げて言う。

「女子は陰口が大好物でしょ?」
「否定できないけどすごい誤解を招く言い方…!!」
「それに、暁がお世話になってるメンバーだもの、腹割って話して親睦を深めたいじゃない」

彼女の発言に全員が顔を見あわせた。

「「のった!」」




「はっぶしゅ!!」
「うわ、きたねっ」
「ごめん…」





彼はそんなに魅力的か





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