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「…」

暁は一人校門前で真剣に携帯を見つめて時々頭を抱えたり、かと思えば顔を赤らめたりと忙しくしている。そこに服を引っ張られる感覚を感じてそちらへと顔を向ける。すると名無しさんがちょっと不思議そうな顔で見ていた。
暁は携帯の画面を変えて文字を打つ。

「ごめん、気づかなかった」

彼女は首を横にふった。暁はほっとして駅の方角を指さし、名無しさんの手を取って歩き出す。彼女を連れて自分の帰宅路をなぞっていった。

家に辿りつき、惣次郎との挨拶もそこそこに終えて二階へのぼる。カバンからモルガナがするりと抜け出すと名無しさんはまっさきに優しく抱き上げて頬ずりをした。大変お気に入りのようだ。

「あーっやめろやめろ!毛並みが乱れるだろ!」
「我慢してくれモルガナ」
「ガマンって…あっそこはぁぁ…」

その後にこしょこしょと顎や頭、体を優しく撫でてモルガナを堪能する。無意識なのだろうがモルガナの良いトコを突いてくるためゴロゴロと喉を鳴らしてしまう。暁はそれを眺めて下に飲み物を取りに向かう。

惣次郎からコーヒーを受取り、二階へ戻ると完全に名無しさんのテクニックの虜になったモルガナとそれを嬉しそうに眺める名無しさんがいた。自分の机の上にコーヒーを置いて彼女にコップを渡す。彼女はモルガナを撫でる手を止めて受け取り、コクリと一口飲み込む。暁も隣に座りコーヒーを口にする。
うっとりしていたモルガナは我にかえり、名無しさんの膝から飛び降りて窓の隙間から外へ逃げるように飛び出していった。

「…」
「また今度な」

あからさまに落ち込む彼女の頭を撫でて携帯の文字を見せる。名無しさんはそのまま携帯に返事を打ち込む。

「嫌われた?」
「嫌ってはないな」
「ほんと?」
「うん、嫌いならもっと必死で逃げるよ」

しょんぼりとしながら文字を打って暁を見る。苦笑いして彼も返事をする。
それから少しまじめな顔をして文字を打ち込む。

「ねぇ名無しさん、今日うちに泊まらないか?」
「!?」

ばっと顔をあげて暁を見る。帰る時間は遅くなれど泊まるということは今までになく、まして彼からそんな誘いを受けたこともなかった。

「明日休みだからそのまま次の日もデートしようかなって…」
「あしたのデートじゃだめなの?」
「電車賃とかかからなくていいかなって」
「着替えがないよ」
「明日買うのは?」
「お金ないよ」

珍しく引かない暁を怪しく思い、言葉を変える。

「何しようとしてるの?」
「なにもないよ」
「うそ、絶対なにか考えてる、何?」

じっと睨まれて、彼はとうとう諦めてゆっくりと頭を抱えながら文字を打って彼女に見せた。

「名無しさんとエッチしたい」

ぼしゅっと音が鳴りそうなほど顔を赤らめて思わず携帯をソファに押し付けて暁を見た。暁の顔も赤くそまり、しかし目をそらさずにまっすぐに見つめていた。

「…」
「俺は本気」
「……」
「だめか?」

先に目を反らしたのは名無しさんだった。そしておもむろに自分の携帯を取り出して文字を打っていく。しばらくして携帯をしまい。暁の携帯に文字を打つ。

「親にきいた、まって」

それだけ見せて膝をかかえてうずくまった。暁はそれだけで天に召されるような気分になり思い切り彼女に覆いかぶさるようにして抱き着いた。





「(いよいよっ…いよいよだ…!)」

彼女の両親から了承を得て、惣次郎にもお泊りするという旨を伝えた。その際「ハメ外しすぎるなよ」と釘を打たれたが暁はその忠告を無視しようとしている。外の音があまり聞こえなくなった時間帯に暁はゲームをして気を紛らわせた名無しさんを見る。彼女はゲームの攻略に悩んでいるようだが、時間が時間なので肩を叩き時計を見せた。

「!」

時計の針に驚き、急いでゲームを消してニコニコ笑いながら携帯の文字を見せた。

「ごめんね、どこで寝ればいいかな?」
「あそこ、ちょっとお粗末だけど」
「いいの?暁はどこで寝るの?」
「俺も一緒に寝るよ?」
「え?」

彼女の反応に首をかしげ、彼女もまた首をかしげる。もしや彼女は夕方の発言を忘れているのではないだろうか…。そっと文字を打ち、ちょっと遠まわしに言葉を並べて見せた。

「普通に、寝るの?」

彼女が返事をしようと文字を打ち、途中で顔が真っ赤になり携帯を強く握りしめた。本気で忘れていたようだ。きゅっと口を結び、少し震えている。

「…」

暁はそれを見ると打ち途中の携帯に文字を入力する。

「こわい?」
「…」
「無理しないで、突然だからびっくりするよな、いいよ、普通に寝よう?」

抱きたい気持ちはあるが、彼女を泣かせてまでしたいと思わない。名無しさんの手をそっと握ってベッドまで案内しようと思ったが、突然彼女がその手を振り切って自らベッドに走り込み、上でちょこんと座ったと思えば両手を広げて暁を見た。

「…?」
「…っ……」
「名無しさん…?」

それに近づき携帯の文字を見せる。

「本当にもう何もしない、俺はソファで寝るから名無しさんはそこでゆっくりおやすみ」

すると彼女は携帯をふんだくり乱暴に文字を入力する。

「いくじなし!こんじょうなし!じぶんからいっといて!」
「!?」

携帯を投げつけて彼女は布団にくるまりふて寝してしまった。暁は携帯の文字を見て、彼女を見た。そしてそっと覆いかぶさり、布団をそっとめくる。名無しさんは顔に布団を押し付けて見せようとしないが耳が赤いことは確認できた。その耳に唇を落とす。

「っ!」

驚いて彼女が布団から顔を出した。その隙をのがさず彼は彼女にキスをする。それはすぐに離れて文字を見せた。

「同意ってことでいいんだよないまからするからかくごしておけよ

でもこわかったらきょひしてくれ」

彼女が頷くのを確認し携帯を枕元に置くとすぐにまたキスをする。布団をどかし、彼女の腕や腰をゆっくりとなぞっていく。それと同時に足の間に体を滑り込ませた。

「ん…」
「っ」

体をなぞっていた手はやがて足に下り、なぞる。服のこすれる音が耳に響いて気持ちを高揚させていく。キスはついばむものから口を割って舌を入れるものになり、彼女の口内を味わう。

「っ…っ…」

ぴくりと体が跳ね、暁の服を掴む。それすら彼にとっては興奮剤にしかならず、口づけをより激しくした。同時に足を撫でていた手は再び上へと上り女性特有のふくらみへとたどり着くと布越しで優しく揉み始める。

「っ!!」
「っはぁ……やわらかい…」
「…っ」

顔を離して両手で胸を堪能しながら服を上に押しあげていく。名無しさんは顔をそらして羞恥に耐えた。下着と胸の形が見えて暁は唾を飲み込んだ。さらに下着を下にずらし、敏感な部分を外気にさらした。

「…ちょっと形できてる?」

下着から顔を出すそれを指で触り少しだけつまむように揉む。すると名無しさんはビクビクと反応し暁の体に足をすりつけるように動く。

「気持ちいいの、かな」

だんだんと固くなりぷっくりと主張してきた。暁は一旦手を止めて彼女の服を取り払い、背中のホックに手を伸ばして外した。名無しさんはさらに顔を深く隠してしまった。彼はその手を優しく繋いでそっと持ち上げ、顔を見る。

「…っ」
「…やばい、その顔…」

赤く染まり涙を浮かべて何かに耐えるような顔をしていた。彼は涙を舐めとり頬と口にキスをして彼女に微笑んだ。それから自分の服を脱ぎ名無しさんぎゅうと抱きしめる。

「暖かい、名無しさん」
「…」
「好きだよ」

聞こえるはずがないが言わずにはいられなかった。耳を甘噛みして手を背中から腰まで撫でて内股にたどり着く。すると名無しさんは暁に回していた手に力をいれてより密着させる。彼の手は一番感度が高い場所へとたどり着き、布越しにそこにある溝を押して擦る。

「ん、あれ?…名無しさん」
「…っ」

そこがじわりと湿っていることに気づき彼女の顔を見ようとするが彼女が離れず、首を横に必死で降った。震えながら指の刺激と羞恥に耐える姿に一気に自分のものを挿れてぐちゃぐちやにしたくなる衝動にかられる。それを少ない理性で抑え、しかし指は下着を退けて割れ目の中に入れる。

「っっ!!」
「大丈夫、大丈夫…」
「っ…!」

頭を撫でつつ下の刺激をどんどん強くしていく。滑りが良い液体はとめどなく溢れて暁の手を濡らしていく。彼はもう意味をなさないそれを足から外した。

「…っ!」
「ん、名無しさん…」

一旦彼女から離れようとしたが離れず、少し困った。
見たいんだけどなぁ
仕方がないので腕に力を込めて彼女の手を離し、膝裏を掴んで見えるように少し持ち上げた。

「すご…」
「!!…っ!」

てかてかと光るそこを暁はまじまじと見つめる。名無しさんは隠そうとするが暁の手によってそれもままならず、結果自分の顔を反らすしかなかった。彼は喉を鳴らして指を這わせて再び割れ目の中に入れて今度は膣へと挿入した。

「!?っ!」

痛みと異物感が彼女を襲い、そこへと視線を向けた。暁は名無しさんにキスをして指を少しひっかくように抜き差しをして、たまに何か所かをぐにぐにと押す。

「……っ…」
「ん…」

しばらく中をぐるぐるとかき回して指を抜き、自分のベルトを取り外す。中にある一番熱を持ったそれにポケットからひとつ袋を取り出して破き、入っていたものを肉棒に取り付けて、そっと先ほどまで指を入れていた入口へとあてがう。名無しさんは今までより熱いそれを察して顔を横に振った。暁は名無しさんの額に口づけをして彼女の手を握った。
ぐちゅと小さい音をたてて挿入を開始する。

「っ!!」
「んっ…」

痛いのか涙が零れ落ちた。暁は窮屈な中をゆっくりと侵入し続け、時たま胸に吸い付き。彼女の気を紛らわしていく。

「っはぁ…はー…はいった…」
「…っ……」
「名無しさん…っはぁ…ごめん、もう動くねっ」
「っ!」

暁は無理に笑いながら腰を動かし始める。ちゅるちゅると動くたびに音がなり、布団を濡らしていく。名無しさんは体をすこしよじりながらその振動に耐え、つないだままの手に力をいれる。段々と腰を振る速さが増していき、激しい水音が鳴り響く。

「っ!…っ」
「はぁっはぁ、名無しさん…っ好き、愛してるっ」
「っぁ」
「え…」

絶頂か近いところで聞きなれない声が聞こえた。

「…名無しさん?」
「…ぁっ…ぁい…っ!…あ」
「っっ!」

彼女からの小さな言葉にならない声を彼は確かに聞き、涙が出そうになった。名無しさんが何を言いたいのか何を言ったのかわからないが、動きを止めた暁に名無しさんはふわりと笑ったのだ。暁は彼女を抱きしめて少し乱暴に口づけをして、動きを再開した。

「んっんっ…んぁっ」
「っ…っ……」

限界が近づきさらにスピードをあげて絶頂へと向かう。するとコツと何かにぶつかる感覚があり、急に名無しさんはびくりと体を跳ねらせてぎゅうと暁のそれを強く締め付けた。

「っあ…!」

その強い締め付けに我慢できず射精をした。

「はー…はー……」
「……っ…」

液を出し切り、彼女の中から熱が引いたものを抜き出す。お互い息を整え、暁はごろりと彼女を抱きしめながら横になった。汗で少しベタつくが、気にせず肌を密着させた。しばらくすると暁が枕元にあった携帯を手にとり、会話をし始める。

「しあわせ」
「わたしも」
「ありがとう」
「うれしかったからいいの」
「きもちよかった?」

それに対しての返答はなくかわりにべしっと胸板を叩かれた。暁は笑って彼女の頭を撫でて再び文字を並べる。

「もっと気持ちよくできるように頑張るから」
「ねる」

会話は打ち切られて名無しさんは彼の胸に顔をうずめてそれきり動かなくなった。暁は彼女を抱きしめたまま目をつむり。幸せをかみしめながら眠るのだった。





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