メイン
□夢の話
1ページ/1ページ
あれが現れるようになったのは最近のことだった。
「ふっ…あっ…」
「ふむ、ここが良いのか」
「ひ…」
ここは現実じゃない夢の世界。文字通り、私の夢の中。そこに入り込むのは我ら怪盗団のリーダーのペルソナであるアルセーヌだった。
「っあぁ!だめ…」
「痙攣しているぞ、そんなに良いものか」
「ちがっちがう…んぁ…」
私の夢にでてくる彼はその燃えるような顔で私をじっと見つめて振れれば裂けそうな手で私を優しく撫でる。
「っ!!」
「まだイくなよ?」
「っは!やっ…そこ、ら…」
「初いものだ」
見た目と言葉と裏腹に優しく、的確に快感を得る場所を撫でては私の反応を楽しむ。
「むり、だめっやっ…そこばっかり…ひゃん!」
「良い反応をする、お前は飽きないな」
「っひぁ…やだっ、いっいくっ…」
「駄目だと言ったはずだ」
愛撫されただけで脳が蕩けて淫らな液が私の下から流れ落ちる。だが絶頂に行く前にアルセーヌは手を離した。快感が遠のき、欲望だけが私を上り詰める。
「ど、して…?」
「お前が我慢しないからだろう?もっと悶て我慢してみせろ」
「っ…そんな、むりだよ…」
あんな気持ちよく撫でられて我慢しろなんて無茶にきまっている。でももう既に出来上がった身体はアルセーヌを求めてうずき、止まろうとしない。
「ほら、どうした?」
「はぁ…はぁ…」
「我慢せずにこのまま夢から覚めるか?それとも耐えてここでまだ溺れるか?」
夢から覚める。
ひどく、悲しい言葉に聞こえた。
「…我慢、する…」
「良い子だ」
「んんっ!もっと、ゆっくり…っ」
「欲したのは貴様であろう」
冷えてきた体の火照りが再びアルセーヌの手によって蘇り、快感が体中をかけ巡る。気持ちいい。
「あぁっ…そこは…あっやらっ」
「我慢するんだろう?」
「んっんっ…ぁ!!らめっ」
火照った体に容赦なく優しい手つきが滑り落ちて一番敏感であろう部分を強く攻めてくる。
我慢しろというのは難しい。
「いっ!!いっちゃ…んっ…んぁっ」
「待てが出来ぬな、夢から醒めるぞ」
「やっやだっ…んんっ!あぁっ」
撫でられ触れられるたびに体は素直に反応して、意識を奪っていく。どこまで我慢すればいいのだろうか。いつまでこれは続くのだろうか。
「あっ!も…むりっ」
「そうか、ここまで耐えたことを褒めるべきであろうが、我は生憎そこまで優しくはないのでな」
「っえ、あっ…」
その言葉が脳をかすめて私は目を開ける。
見慣れた天井がそこにあった。
「夢…また…」
また、イく前に覚めてしまった。それはいいことなのか悪いことなのか私にはわからないが、物足りなさはどこかにあった。
「でも、誰だっけ…」
いつも相手を覚えていない、行為を覚えていない。気持ちがよかった。それしか思い出せない。それが余計に夢に固着させる。
「もう…いい加減楽になりたいよ…」
相手にこの言葉は届くことはないだろうけど、言わずにはいられなかった。夢の中のあなたはまた私の夢にでてくれるだろうか。次こそ楽になれるだろうか。
そうして今日も一日が始まる。
夢の話
お願いチャンネルより