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□気にする恋と気にしない愛
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本日も怪盗団はメメントスで依頼をこなしていた。
「一度ここで休憩しましょう」
パレスの攻略によりメメントスの依頼が溜まっていたため、現在一気に片付けているのだ。休憩前にもすでに3件もの依頼をこなしているため、メンバーはやや疲れ気味であった。
「あと何件あるんだっけ?」
「2,3件残ってるぞ」
「こちらをなまけすぎたな」
思い思いに椅子に深く腰を下ろす。リーダーであるジョーカーはコーヒーの準備をしている。戦闘に出ずっぱりの彼が一番疲れているだろうにそんな様子も見せずに着々と用意をすませていった。
「ジョーカー、何か手伝おうか?」
「いや、大丈夫だもう終わった。ほら」
そんな彼に声をかけたのは祐介と同時期にメンバー加入した名無しだった。
「ありがとう…もっと頼ってもいいと思うけどなぁ」
「もうずっと頼りっぱなしだ」
温かいコーヒーを渡された彼女はそれを一口飲む。ジョーカーは残りのメンバーにも手渡しでコーヒーを渡していく。最後の一人に渡して自分のコーヒーを作る。そのまま名無しの手を掴み近くの椅子に座り膝の上に名無しを乗せる。
「!?」
「おかわり欲しかったら言ってくれ」
「ちょちょちょ!」
流れるような自然な行動に反応が遅れてしまい慌てて名無しは立ち上がった。
「何してんのよ!」
「休息」
「違う!なんで私を乗せるのよ!」
顔を赤くしてジョーカーに噛みつく。ジョーカーは質問に答える。
「俺が癒されるから」
「やっ…だったら隣でもいいでしょ!なんでっ皆がいる前でいつもいつもそう…」
二人の関係はいわゆる恋人である。それはメンバー全員が知っており、このように人目を気にしない彼の行動も日常的なものだった。
「いいじゃないか好きだろ?」
「そーじゃない!」
「あのさ、もうあたしたち気にしてないから…」
パンサーの言う通り、ジョーカーの行動や二人の空気はもう気にしていなかった。たまにナビの目がふさがれている程度だろうか。
「だって…」
「あきらめって肝心だよな…」
「良い絵になりそうだ」
スカルが苦手なコーヒーをそのまま飲み、フォックスは相変わらず指で縁取りをする。ノワールはのほほんとコーヒーを味わって微笑んでいた。
「ほら、休めないだろ?」
有無を言わさずに両手を広げて彼女を受け入れる体制を作る。彼女も観念してしずしずとショーカーの膝に座り直した。そして今度は逃げないようにお腹に腕を回して頭に頬を擦りつけていた。
「髪が乱れる」
「直す」
一件落着してほかのメンバーもコーヒーを飲みながら談笑を始める。名無しはコーヒーを飲んでジョーカーの体温に安心していた。ジョーカーも彼女の感触と体温にまったりと癒されていた。そしてコーヒーを隣の空いた席に置き、その手で彼女の足を撫で始める。
「ちょっと…」
「ん」
「触らないで」
足を撫でていた手をぺしっと払った。しかしジョーカーはそれに気を止めるわけでもなく払われた手で今度はお腹を撫でてそのまま上へと滑らせていく。
「ちょ、ちょと!?」
「足は駄目、胸ならいいんだろ?」
「そうじゃない!」
遠慮なく胸の形をなぞっていく。掴んだり揉んだりということはしない。それが逆にいやらしく感じた。
「ほ、ほんとに待ってよ…っ」
「嫌なら本気で振り払わないと」
にやりと笑って名無しの顔を覗き込む。怪盗団のリーダーらしい笑い顔だった。
「あのね…っん!?」
ちゅうと彼女の口を塞ぎそのまま舌を入れた。逃げられないように顔を腰を固定して名無しの口内を味わっていく。
「んっ…ん」
「んぁ」
唾液の混ざる音と共に口からそれあ溢れ顎をつたって服を濡らす。腰に回していた手がそのままお尻を撫でて割れ目を強くなぞる。
「っはぁ…」
「は…ぁ、ふ…」
長く味わっていた口を離れて名無しを見つめる。酸素不足と快感にとろりと溶けた顔で彼女もジョーカーを見つめた。
「続きは帰ってからしよう」
「…っう」
「なぁ、終わったか?」
高揚していた二人にとても冷めた声をかけたのはモルガナだった。普段から二人の行動に突き合わされているせいかとてもジト目であった。
「うん、すごく元気になった」
「…はっ…はっ…!!」
ジョーカーはその言葉に平然と答えて名無しは我に返り周りを見た。
目を反らすもの、顔を隠すもの、それぞれ反応があった。
「あっ…っっ…あぅっ…」
「それ以上可愛い反応するなよ、止まらなくなりそうだ」
「うっ…うぅ…!」
混乱した名無しはその場で涙を流し始めた。ジョーカーは少し驚き、よしよしと抱きしめて慰める。
「…あいつらいつもなんつーもん見せてくんだよっ」
「もうしばらく休憩ね…」
「なぁ!何があったんだ!?なんで目と耳がふさがれてるんだ!?」
気にする恋と気にしない愛
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