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□仮初乙女
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それはこの世界に似合わない香りであった。

「あらどうもこんにちわ」
「…」
「冷たい反応ね?私あなたのこと気に入ってるのに」
「何をしている」
「いつものお宝探しよ?それ以外に目的なんてないわ」

メメントスに現れる彼女は怪盗団のメンバーではない、だが敵かと言われればそれも違う。ただひたすらに金や宝石を求めているのだという。

「あぁでも」
「?」
「最近は貴方に会うのも目的になってるわね」

するりとジョーカーの腰と顎を撫でてくる彼女はとても妖美であり、性的である。いくら怪盗でも中身は男子高校生であり思春期である。彼女の動きに反応しないわけがなかった。

「…っなぜだ」

なんとか落ち着かせて平常の声で聴いた。

「言ったわよね?あなたを気に入ってるって」
「金があるからか?」
「それもあるけど…そうね」

金目当てということになぜか少しショックを受けた。彼女はそんなジョーカーの頬を撫でて腰をぐいと掴み自分の体と密着させる。メンバーのセクシー担当であろうパンサーに引けを取らない豊満な胸がジョーカーの上腹部に押し付けられる。

「一番は貴方自身を気に入ってるってことかしら?」
「ちょっ…何を…」
「うふふ、初心ね、もしかして童貞かしら?」
「っ関係ないだろ!」

ぐっと離れようとした、それより早く彼女が彼に口づけをした。

「!?ん!んん!!」
「ん…んぅ……はぁ、ん」
「んん…ん」

突然の出来事にまったくついていけず、ただ彼女からのキスを受け続ける。その間ににゅるりと舌が入り込みジョーカーの中を暴れまわった。

「ちゅっ…んん…は、む、ん…」
「んぁ、ふ、あっ……」

だんだんと脳がしびれはじめ息苦しくなる。感じたことのない快感に期待と不安が入れ混じり、彼女にされるがままになている。

「んっはぁ…かわいい」
「はぁ…はぁ…う、うぅ?」
「ねぇもっと先のことしてみない?」
「あっ…はっ…なに、を」

キスから解放されて呼吸を激しく繰り返す、そして急に体が熱くなっていくのを感じた。にやりと笑う彼女が何かをしたのは間違いないのだが体が言うことを聞かずただ欲望だけが沸き上がる。

「ねぇ…ジョーカー?シよ?」
「はーっ…はーっ…!」

つぅっと人差し指を喉仏から臍まで優しくなぞり一番熱がこもっている場所までたどり着くと、今度はそこはこねくり回すように撫でた。
彼女もだいぶ興奮しているようだが今のジョーカーにそれに気づくことはできない。

「……っ」
「いっ!…っはぁいいわねその顔…惚れそう」
「ふぅっ…はっ…はー、はー」
「ね、一緒に気持ちよくなりましょ?」

勢いよく彼女をその場で押し倒す。ジョーカーの顔は獲物を食いちぎらんとする獣であった。そんな彼にまた軽いキスを贈ると、それが起爆剤であったかのようにぐっと彼女の頭を固定して今度は彼が彼女の口の中で暴れまわった。

「んっんん!んぁ、あっんちゅ…」
「はっ…ん、んぅ…」

ただひたすらに彼女を味わい犯し続ける。空いた手は彼女の胸に当てられて欲望のままに弄ぶ。くちゅと口を離し、次に彼女の首に噛みつく。

「あっやだ…急に…」

強く噛みつき跡を残す、そこをさらに強く吸いうっ血させていく。何度も何度も跡を残し、最後に愛おしそうにそれをべろりと舐める。

「っはぁ…そんな慌てないで?んぁ、や」
「はーっはーっ…んん」
「あぁ!胸吸っちゃ…あっだめっそこは…あん!」

服をずらして誘惑していた胸をあらわにさせる。手を離し、快感で主張している胸の頂を口に含み舌でいじり、甘噛みし、強く吸う。
ちゅうちゅうといやらしい音が彼女の耳を犯し、さらに体を敏感にしていく。

「っんあ、も、んっ…ぁ!きもちい…あぁん!」
「はぁ…下もドロドロだな」
「あっ」
「見せろ…!」

服の上からでもわかるくらいぐしょぐしょに濡れていた恥部の布を外し、ジョーカーによく見えるように足を開かせる。快感により抵抗する力がないのか、それとも彼だからこそなのか。彼女は顔をさらに赤くするだけであった。

「っはぁ…こんなに濡れて、興奮したのか?」
「ん、だって、気持ちいいんだもの…っ」
「まだ、溢れてくる…」

彼は流れ出る液体を指で掬い舐める。指が触れるたび彼女は小さく喘ぎ、切なそうにこちらをみつめた。ジョーカーはその顔を見るとぞわぞわとした興奮を感じる。指でぐちゅりと少し押すと彼女は先ほどより大きく、でも短い喘ぎ声を発する。

「あっ!あん!やぁ…そんな、ん!」
「ぐちゃぐちゃしてるぞっ…はぁ、厭らしいな」
「んん、だっ…て、あん」
「もっと啼け」

ぐちゅっと音を激しく鳴らして指を入れた。

「あぁぁ!ん!あっ!やぁっ」
「お前の中から…出てくる液、もったいないな」
「えっ…な、いやぁあああ!あぁっん」

指を抜き差ししつつそこに顔を近づけて口づける。じゅるじゅると音を激しく鳴らしながら舌で刺激し溢れる水を飲み込んでいく。突然の激しい快感に彼女は腰を浮かしそこから逃げるように体をよじる。
ジョーカーはそれに対抗し足の付け根に腕を回して逃げないように固定する。ぐじゅぐじゅと激しく鳴り響く。

「あぅっあっもう、だめっイグ!いっちゃ…やらっ」
「んん…」
「あ、あぁぁぁあぁぁ……っは…あ……」

ビクビクと痙攣し彼女は頂点へと昇りつめた。ジョーカーはそれを満足気に眺めて、自分のズボンに手をかける。

「はー…はー…」
「次は、俺の番だ」
「はぁ…ん、せっかち」
「おまえのせいだ」

今にもはち切れそうな一物を外に出し、彼女にあてがう、とめどなく液体が流れ出る場所につぷりと入れて食い込ませていく。

「あっあぁっ…あつっ」
「んっ、はぁ…きつ、あぁ……」
「っは…あっ!」

ちゅぷちゅぷとゆっくりいれていたが、快感と早く彼女を犯したいという気持ちから一気に奥までねじ込んだ。

「っあぁ…きもちいい…もっと…っ」
「あっやだっきゅっに、あん!だめっ」
「はっはっん、はぁっ」
「っんぁ!やっっ、だめっあ!はげ、しっ!」

自分で処理するものとはくらべものにならない快感に腰を振る速度が速くなり、激しいものへと変わっていた。彼女は絶頂を超えたばかりのせいか、先ほどより敏感に感じ、快楽に溺れていく。

「んっあっあっ!あぁっ!!ソコっ!だめっ」
「ここ、いいっだね…っは、もっと、ほし…!」
「ひゃんっ!やぁっだ、だめっ!あっやだっ!」

つながる部分を少し持ち上げてさらに激しく動かす。一番良いところを集中的に突かれて彼女の口はうまく閉まらず涎が溢れている。
ジョーカーはなおもそれを眺めて興奮し彼女を犯し続ける。

「はっあっもうっ…きちゃ、いくっイクっ!イッっちゃう!」
「はぁっんぁ、はっ」
「あっあっ!あんっあっいっーーーーー!!!」
「んっ!!……っぁ…」

ビクンと大きく彼女の体が跳ね、彼を締め付ける。その快感に堪え切れす彼女の中で欲を吐きだした。びくっと震える彼女の腰を掴み、彼は欲をこぼさないように奥へ奥へと突き立てて出し切る。

「……あっ…あぁ…」
「はぁ…はっ……」

性行為後特有の倦怠が襲い、ジョーカーはそのまま彼女の上にゆっくりと倒れ込んだ。

「…んっ……もしかして、気絶?」

つながったまま気を失った彼を抱きとめて優しく頭を撫でた。

「やっぱり、かわいい…あの先生の作った香水ってすごいわね」

うっとりと彼を見つめて額にキスを贈った。






「おーい!今日はメメントスに入るんだろ?」
「あぁ」
「依頼溜まってるもんね、ちゃっちゃと片付けちゃお!」

放課後、怪盗団メンバーと作戦会議のためアジトに集まることを連絡していた。同じ学校の二人とともに出口へと向かう。

するっ

「っ」

彼の鼻に忘れるはずのない香りが吹き抜けていった。急いで振り返るとなんてことないただの、少し地味な生徒が歩いているだけだった。

「…」
「どーした?」
「いや、なんでもない…」

まさか、彼女がこんな目立たない地味な子のはずがないと、勘違いだと言い聞かせてまた歩き出す。

彼は気づかない。
彼女の襟から見え隠れする首にうっ血の跡があったことを。








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