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□猫の日
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2月22日は猫の日という謎の習慣にまさか踊らされるとは思ってもなかった。

「いやだ!!」
「一回だけでいいんだ!」
「絶対やだ!!」

必要以上に迫ってくるこの彼氏はなんなのだろうか。そんなもの興味ないでしょ君。

「一回!一回だけ付けて!」
「やだっつの!」
「カレーおごる!」
「いらない!」
「コーヒーつける!」
「いらない!」
「モルガナ触りたい放題!」

他人(?)を巻き込むんじゃないよ。

「最後のはちょっと良いけどやだ!」
「これつけたらモルガナとお揃いだぞ!」
「それでモルガナちゃんは喜んでくれるの!?」
「くれる!!」

うそつけ!
だれが、好き好んで猫耳カチューシャなんてつけるか!コスプレならよそでやれ!メイドカフェ行けメイドカフェ!!

「一瞬でいいんだよ」
「嫌だ!」
「似合うから大丈夫!」
「そういうことじゃないの!」

この男は諦めない。付けたいなら自分でつけてろ!似合うから!

「写真も動画も撮らないから!」
「何恐ろしいこと言ってんの!当たり前でしょ!?」
「一回だけお願い!」

どれだけ頭下げても絶対につけない。

「…」
「…トイレ行ってくる」
「…おう」

睨み続けていたら暁が急に立ち上がって階段を下りて行った。
取り残された私と猫耳カチューシャ。正直カチューシャは可愛い、綺麗な女の子とかがつけてたらそれこそ萌えというものだろう。だが私だ、ない。絶対にありえない。

「…」

ガラス窓を鏡にしてそっと頭にかぶってみる。

「………ないわ」
「ありだ」
「はっ!!?」

後ろから暁の声が聞こえたと思ったらすごい真顔で立ってた。帰ってくるの早い、ってか物音すらなかったぞなにこいついつから忍者になったの?
とりあえず外そう。

「外すな」
「や、ないわ」
「外すな」
「外すわ」
「外すな」

同じことしか言ってないぞ。目がヤバい、なんか怖い、本能的に、貞操的に怖い。

「………っふ」
「…ふぅ」
「先手必勝!!」
「逃がすか!」

階段に向かって走ったはずなのに足をひっかけられて腕に支えられて後ろの粗末なベッドに押し付けられた。

「やめなさい!不純行為反対!」
「恋人同士だし純粋に愛し合ってるから正攻法だ」
「うるさい!いいから離して!」
「いや無理、思ってた以上にキた」
「バカ!ほんとふざけんな!」
「ちょっとだけ、先っちょだけだから」
「知ってるそれ全部なんでしょ!?フラグなんでしょ!?」

じたばたしたって男の力に勝てないのはわかってたけど抵抗しないわけにはいかない。
いやだ、腰が立たなくなるのは嫌だ。

「手加減する」
「うそつけ!」
「明日歩ける程度には抑えるから」
「そうじゃない!」
「もういいよね」
「ちょっまじふ、ん」

あ、もうだめだこれ。








猫の日











     

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