彩りの部屋

□落ちた先の人は…
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「痛たた…お嬢さん、ぼーっとしているところ悪いんだけど、ちょーとどいてくれないかな…?」

落ちたのに痛くないことに疑問を持たずに放心していると声が聞こえた。

ーーそう、私の下から……

固まること3泊。カチッ、カチッ、カチッ、何処かからそんな音が聞こえそうだ。のんきに現実逃避をしていたら、また声が聞こえた。

今度は、体まで持ち上がった。

「ちょいっと嬢ちゃん、いつまでも男の上に乗ってちゃ危ねーぜ?」

「あっ、すっすいません!お怪我はありませんか⁉」

そこで私はやっと気付いた。いや、気付いてしまった。

自分という重い荷物の下に喋る熊がいて、今は担がれていることに……

って熊⁉

「く、熊さん、わ、私は美味しくないです…よ?他を当たって下さい……!」



ーー私はそこで気を失った……
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