彩りの部屋

□突然の出来事
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「あんっのバカ!7時に起こしてって言ったじゃん!」

私は今日から高校2年生。高校デビューは失敗したから、今度こそ…!と思っていつもより1時間早く起きようとしたんだけど…

ただいま兄さんが起こしてくれなかったせいで遅刻寸前です。そう、兄さんのせいで!

「せっかく、メイクやろうかなって思ったのにな…」

ため息をつきながら時計を見たら、8時15分。ちなみにここから学校までは、急いだら15分、式は30分。

「ギャー⁉もうこんな時間⁉仕方ない、エレベーターなんか待ってられない!階段から…」ズルッ

嫌な音が聞こえたような…

ああ、私はまだ夢を見ているのね。でなければ天井が見えるなんて…

シリアスっぽく言ってみるけど本当は…

「いやー!なんっであんなところにゴミが落ちているのよー⁉」

ああ、神様ごめんなさい。今まで嘘をついた数は1000ごえではないはずです。だからどうか、どうか地獄だけはいやです…!

…現実は残酷ですね。

「いったー……く無い?」

私が落ちた先は見慣れたマンションのロビーではありませんでした。
「ーーここ、どこ…?」

果てしなく続く道の真ん中に私は立っていました。

ーーやっと来た

柔らかく、風が流れた気がした。
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