11/22の日記

22:48
モブ君の精神年齢
---------------


昔新聞で、人が夢を見ている時間はたった4秒という記事を読んだことがあります。
たった4秒で!?と思いました。
夢の中で遅刻をしたり、焦ったり、いろいろな体験をしているのに、そのひとつひとつが数秒間の脳が見せる世界だなんてと驚きました。
ただ、私は普段、車を運転しているのですが、すごく疲れているときにうとうとして信号待ちで一瞬夢を見るときがあります(アイドリングストップで足が離れるとエンジンがかかって目が覚めるので今のところ運よく事故はありません)。
この信号待ちの一瞬で夢を見るんだから、やっぱり夢というのは数秒なのかなと思いました。
思えば、日常でも今日何をしたっけ?と思い返しても印象に残っていなくてすぐには列挙できなかったりします。
きっと夢と同じくらいの認識しかないのかなあ…と考えたりします。

ただ、表層意識はまるでふるいに残った大きなかけらしか認識できなくても、ふるい落とされたすべての出来事は脳の中に記録されていると新聞とNHKの科学・物理学のテレビで知りました。
たとえば、私たちが三秒間道を歩いたとき、その視覚情報を表層意識が分析をすると3日かかるそうです。
けれども、いちいち分析していたら一歩も歩けなくなってしまうので、必要な情報だけを残して残りはすべて無意識下に収納するとありました。
また、人の脳をコンピューターで再現すると、今のスーパーコンピューターでは町一区画と冷却用の水で川一本が必要なのだそうです。
自分の決して優秀とは思えない脳ミソにスーパーコンピューターをしのぐ能力があるとはとても思えませんが、あるときこんなことがありました。
私はかなり前に工場で働いたことがありました。
残業もあって、それによって毎月お給料が何円まで細かく計算されます。
そんな中、給料明細を見る夢を見ました。
そして職場に行ったらその日が給料明細を配る日で、内容を見たら夢で見た金額がそのまま記載されていました。端数までぴったりでした。
ということは、人はすべての情報を記憶していると思いました。
自分が何分残業をしたのかを無意識がすべて記録していたと言えます。

となると、無意識の世界は恐ろしく広大で、情報量の大海になります。
夢の出来事が無意識では数秒でも、それを認識する表層意識には一日にもなりえるのです。

それを踏まえて、モブ君が体験した最上さんの意識の中での時間について考えてみたいと思います。
最上さん編で、みのりちゃんに取り憑いた最上さんとモブ君は戦います。
けれども逆に最上さんの精神世界に取り込まれてしまいます。
この時、モブ君は精神世界で半年を過ごします。
外では霊幻とエクボが待っていて、エクボが「かかりすぎだ!普通は1分もあれば終わるもんだ…」と言っています。霊幻はこのとき腕時計を見ていますが、文字盤は7から8の間らへんと、10のあたりを示しています。
7時50分か、9時40分に見えます。
霊幻は「まだ30分も経っていないだろう。」と言っています。
では何分ぐらい経っていたのか。
もし10分なら、まだ15分も経っていないと言うだろうし、15分ならキリがよいのでまだ15分しか経っていないと言うと思います。
勝手な憶測ですが、20分くらいかと思います。
25分だと、まだ30分くらいしか経っていないだろう。の方が言い回しとしては自然に思えます。
腕時計を見て時間がだいたいわかるというのも、文字盤が7時50分だとしたら、7時30分から見ていた可能性もあります。

仮に20分として、20分で半年が過ぎたとしたら、最上さんの精神世界で一日はどれくらいの速さで流れていたのかが気になりました。

まずは半年間を31日と30日が半分ずつあったとします。
日数は183日間。
これが20分で過ぎたと仮定します。

183日を20分で割ると、1分約9日間になります。
さらに1分が60秒なので、60秒を9で割ります。
すると1日は6.5秒になります。

これは人が4秒で夢を見ることに近いと言えます。
夢は断片しか覚えていませんが、モブ君は霊幻やエクボが待っている20分間で1日を6.5秒で過ごしていたことになります。
それも連続です。
内容も悲惨ながら、闘いも壮絶です。

モブ君はそれでも勇敢に計画を実行し、エクボを信じることによってエクボに助力をもらって戻ることができました。

このときのエクボと霊幻のやり取りがまた大好きです!!
エクボにシゲオは負けた、皆殺しにされると言われながら、霊幻はモブ君を待つんです!
帰って来ないかもしれない人を待つ霊幻、しかも逃げないと殺されます。
もちろん、モブ君を連れてきたという大人の責任感もあるとは思いますが、エクボに馬鹿かと言われて馬鹿だと答える霊幻がかっこよすぎるんです!!
何かにつけて霊幻はモブ君が絡むとあっさり命をかけるなあ…とさえ思ってしまいます。
しかも、エクボまで殺されるかもしれない道を選びます。
三人が互いを信じて戦う構図が生まれています。
このとき、はっきりと三人の繋がりが濃くなったように感じました。
特にエクボと霊幻は自分たちを信じてくれたということが気持ちに変化をもたらしているような気がしました。
それでいて、照れ隠しのようにモブ君は利用できるからとか互いに言っちゃうあたりがかわいいなと思います。

そして、もう一つ好きなのが、エクボが憑依したモブ君です。
エクボらしいんですよね。
たとえほっぺたの赤丸がなくても、エクボに見えるし、逆に言えばモブ君らしくないと言えます。
特に後ろ向きで頭をポリポリ掻いているコマなんかはエクボ!って感じです。

このキャラクターの性質の描き分け、揺るぎない各キャラクターの個性、それを表現しているONE先生は本当にすごいと思うんです!

そしてそれは同時に自分のキャラクターを大切に扱っているということもわかります。
いくら霊幻やモブ君が、読むのも辛いほどひどい目にあっても、それが作者に弄ばれている印象を与えないんです。
そこには話の道理と、伏線と、それを回収する展開や面白さ、彼らの成長があります。

この最上編でもそれを見ることができて、モブサイコの奥深さと、三人の関係の深さに気持ちが盛り上がりました。

やっぱりモブ君を待つ霊幻はヒロインです!

そして、精神世界で半年を過ごしたモブ君は、精神年齢が実年齢より0.5歳年上になります。
そう考えるとモブ君が将来への不安を口にしたとき、霊幻に「まだ中2だろお前!」と言われても不思議じゃないなと思えてきます。

そんなモブ君が霊幻を押し倒しても不思議ではないのです!
意外に波乱の多い学生生活を送りながら、霊幻と過ごすモブ君も最高だなと思いました!

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ