Kitten

□おそとに行こう
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 おそとに出てみたい。

 窓からおそとを見ているとしんぐぅが「ちぇなはまだ小さいからあぶないよ」って言う。

 るぅぐぅのおうちにはお庭があって、大きな木の下のたくさんの落ち葉に兄弟たちともぐってあそぶの。るぅぐぅもいっしょにバサバサやったら、まーまに怒られたんだよ。

 しんぐぅともおそとで遊びたいなぁ。







 “オシゴト”に行っていたしんぐぅの足音がしたのに、とびらが開かない。

 「あぁもう、大きいなぁ……」

 ドスンという音としんぐぅの声。向こうにいるの?

 カチャカチャという音がして、とびらが少しだけ開いて見えたのはしんぐぅの靴?おおきなハコで顔は見えないけど。

 ぐぅぐ?

 そう呼ぼうとしたとき、ピューっと風が吹いてきて、いろんなにおいがした。

 おそとだっ!

 「えっっ!チェナっっ!!!」

 遠くで鳥さんの声やいろんな音がして、ぼくは走り出していた。

 しんぐぅ!おそとであそぼうよっ!



※『』はネコ語です※



 おそとがちがう。

 るぅぐぅのおうちとちがう。

 たくさんの足。風の音でも木の音でもないいろんな音。おいしそうなにおいとへんなにおいと知らないにおい。

 キャンキャンッ!!

 『うわぁっ〜』

 いきなり白いふわふわしたのに大きな声で吠えられて、ぼくは走った。
 たくさんの足やものにぶつかりそうになりながら、こわくてこわくて、一生懸命走って辿り着いたものかげ。

 おそるおそる振り向くと、そこにはもう白いふわふわはいなくて、バクバク音を立ててる胸を撫で下ろして気づいたんだ。

 ここどこ?

 ぐぅぐの「チェナーチェナー」って呼ぶ声も聞こえない。
 一生懸命走ったから、どっちから来たかもわからない。

 『…しんぐぅ、どこ〜??』

 おうちを、ぐぅぐを探さなきゃ。

 『あぶないっっ!』

 ものかげから走りだそうとしたとき、だれかの叫ぶ声が聞こえて、顔を上げたら大きなカタマリがぼくの目の前に突っ込んできた。
 ぎゅっと目をつぶったぼくの首根っこを誰かが噛んで、身体がフワッと浮かんだ。

 『大丈夫?飛び出したらあぶないよ、おちびちゃん』

 そっと目を開けると、そこには知らないきれいなネコさんがいた。


 

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