Kitten
□おそとに行こう
2ページ/2ページ
おそとに出てみたい。
窓からおそとを見ているとしんぐぅが「ちぇなはまだ小さいからあぶないよ」って言う。
るぅぐぅのおうちにはお庭があって、大きな木の下のたくさんの落ち葉に兄弟たちともぐってあそぶの。るぅぐぅもいっしょにバサバサやったら、まーまに怒られたんだよ。
しんぐぅともおそとで遊びたいなぁ。
“オシゴト”に行っていたしんぐぅの足音がしたのに、とびらが開かない。
「あぁもう、大きいなぁ……」
ドスンという音としんぐぅの声。向こうにいるの?
カチャカチャという音がして、とびらが少しだけ開いて見えたのはしんぐぅの靴?おおきなハコで顔は見えないけど。
ぐぅぐ?
そう呼ぼうとしたとき、ピューっと風が吹いてきて、いろんなにおいがした。
おそとだっ!
「えっっ!チェナっっ!!!」
遠くで鳥さんの声やいろんな音がして、ぼくは走り出していた。
しんぐぅ!おそとであそぼうよっ!
※『』はネコ語です※
おそとがちがう。
るぅぐぅのおうちとちがう。
たくさんの足。風の音でも木の音でもないいろんな音。おいしそうなにおいとへんなにおいと知らないにおい。
キャンキャンッ!!
『うわぁっ〜』
いきなり白いふわふわしたのに大きな声で吠えられて、ぼくは走った。
たくさんの足やものにぶつかりそうになりながら、こわくてこわくて、一生懸命走って辿り着いたものかげ。
おそるおそる振り向くと、そこにはもう白いふわふわはいなくて、バクバク音を立ててる胸を撫で下ろして気づいたんだ。
ここどこ?
ぐぅぐの「チェナーチェナー」って呼ぶ声も聞こえない。
一生懸命走ったから、どっちから来たかもわからない。
『…しんぐぅ、どこ〜??』
おうちを、ぐぅぐを探さなきゃ。
『あぶないっっ!』
ものかげから走りだそうとしたとき、だれかの叫ぶ声が聞こえて、顔を上げたら大きなカタマリがぼくの目の前に突っ込んできた。
ぎゅっと目をつぶったぼくの首根っこを誰かが噛んで、身体がフワッと浮かんだ。
『大丈夫?飛び出したらあぶないよ、おちびちゃん』
そっと目を開けると、そこには知らないきれいなネコさんがいた。