Guardian

□ちょあ_side L
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 「はぁぁ〜〜」
 「…ミンソクうざい」

 朝から盛大にため息を吐きまくるミンソクにバシッと言い放ったのは、もちろんおれではない。

 「…ごめん、ギョンス」

 ギョンスはミンソギの幼なじみで小学校からほぼおなじクラスで席も近いという、おれとしては超うらやましいやつ。

 「で?どうしたの?」
 「うん……」

 ポリポリとアタマを掻きながら詫びるミンソギに、ギョンスが小さく息を吐いて読んでいた本を閉じた。





 「知ってるんだよね?ルハンは」

 ひと通り話し終えたミンソガがトイレへと教室を出た途端、ギョンスがチラリと視線を投げかけてきた。

 「なっ、なんで??」

 真っ白な白眼がまぶしいギョンスの目ヂカラは、おそらく本人の意図以上に圧力を醸し出してくる。
 
 ここ数日、ジョンデが自室に引きこもり、なおかつミンソギがジョンデの部屋に入ろうとしたら拒否するのだという。声をかけてきたかと思えば「るぅひょんのおうちに行きたい」とねだられる。
 学校に上がるまでにはと最近きびしくしてたから反抗期だろうかと落ち込むミンソギの話を、ギョンスもおれも黙って聞いていた。
 ギョンスはもともと口数が少ないけれど、おれは下手に口を開いてポロっと漏らすわけにはいかないから。

 「ミンソクが落ち込んでたら問い詰めるでしょ?しつこくしすぎて邪険にされるならともかく、黙ってるなんて違和感ありすぎだよ」
 「!?」

 逆効果だったらしい。

 言い澱むおれにギョンスはあっさりと「まあいいけど」と手元の本を広げた。
 曰く、ミンソガが悲しむようなことならおれがもっと慰めるなり騒いだりするはずで、そうせずにただ黙ってるってことはおれもジョンデの共犯?!で、それはミンソギを悲しませることでは決してないはずだと。
 
 「そういえば、ミンソギの誕生日ももうすぐだね」

 視線をあげることなく淡々と話すギョンスに、おれは汗が背筋をつたうのを感じた。




 
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