Kitten

□芽吹く
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 「ちょっと強引だったかなぁ…」

 窓から外を見ながらボソッとつぶやくちょんで。

 なになに?…出窓のところに飛び乗って、ちょんでが見ていた方を見たら、しんぐぅが道の向こう側へ小走りで渡っていた。雨を避けるみたいに、片手を頭の上に掲げて。

 ぐぅぐはオシゴトに行ったんだよ。だからちょんでがあそんでくれるんでしょ?はやく投げてよ。

 ぼくはちょんでが手に持ったままのオモチャのフサフサに噛みついて、ぐいぐいと引っ張る。

 「あぁ、ごめんごめん。ほら、行くよっと!」

 フサフサがついていてチリンチリンと鳴るボールをちょんでがぼくを飛び越えた向こう側に投げた。見えなくなったって平気だもん。すぐに見つけるからね。

 チリンと転がっていく音を頼りに後ろを向いたぼくの耳に、ちょんでがちいさく吐いたため息は聞こえなかった。






 ねぼすけのぐぅぐがめずらしく朝からお出かけするってぼくをバスケットに入れるからどこに行くのかと思ったら、みんひょのくりにっく?だった。くりにっくっておうちのなまえ??
 ほんとうは昨日来るはずだったんだけど、ぐぅぐのオシゴトが終わらなくておそかったから。ぼくもおそくまでオルスバンだったもの。来てみたらちょんでもいたからいいけど。
 みんひょはこないだみたいな白いおようふくじゃなくて、あおいの着てた。おやすみの日だからなんだって。

 「休診日にすいません」
 「いや、休みたってすることもないし。仔猫ははやめに検査しときたいからさ…。お、体重も増えたな」

 ひっくり返されてお腹にへんなの当てられたり、銀色のおさらみたいなのに乗せられたり。へんなかっこうばかりさせられるけど、みんひょは動かすたびにノドや耳の気持ちいいところを撫でてくれるから気持ちいいの。

 「すこし小さめだけど食べてるなら問題ないし、予防接種しとくか。ジョンデ、アンプル」

 よぼせ…?なんだろ?しんぐぅに渡された。ぐぅぐ、なんだか暗いかおしてるけど、どこか痛いの?ぎゅーって抱っこされると舐めてあげられないよ。

 「よし。尻こっち向けて…しっかり抱いてろよ」

 しんぐぅ、どうしたの?眉毛のあいだにシワができちゃってるよ。だいじょうぶ?ねぇ、ぐぅ……っっっ!%#$#%!!
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