Kitten

□とおり雨
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 “ピカッ!!”

 ひゃっ⁉

 今朝からお鼻がひくひくすると思ったら窓の外がピカッて光って、ぼくはソファに座ってたしんぐぅのお尻目掛けて駆けだした。

 「わっ!どうしたの?チェナ…」

 はやくはやく!はやくしないとアレが来ちゃう!しんぐぅのお尻の下に潜ろうとするんだけど、うまく潜れなくて…。

 “ゴロゴロドーンッッッ!!”

 うみゃっ!#%$

 大きな音といっしょに空気がビリビリして、隠れられなかったぼくはしんぐぅの腕にすがりついたんだ。

 「いたっ!痛いよチェナ…。なに?どうしたの??…カミナリが怖かったの?」

 そう!それがイヤなの!

 ミーミーお返事するぼくを、しんぐぅのシャツに食い込んだツメをそっと外しながら抱っこしてくれた。ぎゅっとしんぐぅの胸に抱きついて、ぐぅぐの匂いを嗅いでやっとホッとする。

 ピカッてしておっきな音がしてビックリするアレ、ほんとにきやい。毎朝おはようって歌ってくれるトリさんも来てくれないし、キラキラしたお日さまも見えないんだもの。

 しんぐぅはぼくを撫でながら、さっきまでぼくがいた出窓に近づく。

 「あーあ、降ってきちゃったねぇ…」

 そしてあめ。
 あめがふるとレイヨンもだれも遊びにきてくれない。そして、なんだかしんぐぅが悲しそうなんだ。

 だから、きやい。

 「ふふ。さびしいの?チェナ」

 抱っこしてくれる手をぺろぺろ舐めたら、お外を見ていたぐぅぐが笑ってぼくのくびを撫でてくれる。気持ちよくてグルグルノドを鳴らすけど、ちょっとだけいつものぐぅぐとちがう気がするの。ぼくはここにいるのに、ひとりぼっちみたいな顔をしている気がするの。

 「あれ……?」

 ん?どしたの?

 しんぐぅがお外をじーっと見てる。
 抱っこされたぼくはよく見えないけれど、あめはどんどん強くなっているみたいで、水のにおいもすごくする。

 「やっぱり…。チェナちょっとだけ待っててね」

 え?なになに?

 ぐぅぐはぼくをソファに置くと、急いでリビングを出て行った。ぼくがついて行かないようにドアを閉めて。

 ぐぅぐどうしたの?どこ行くの??

 ミーミー呼んでもカリカリ引っ掻いてもドアは開かなくて、聞こえてくる音はどうやらお外に出て行ったみたい。

 なんなの?どうしたの?ぼくオルスバンやだよぉ〜。




 
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