Kitten

□レイヨン
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※『』はネコ語です※


 夕陽になるまえの日差しを受けて、黒?グレー?青みたくも見える毛皮はキラキラしててすごくキレイ。

 『あぁ、ちょっと擦りむいちゃったね。ほかに痛いところはない?』

 気づけばそこはだれかのおうちの柵の上で、ぼくを連れて飛び乗ったみたい。

 『いたっ』
 『立てる?』

 ペロペロと舐められた後ろ足をみたら、すこし血が滲んでた。沁みるけどすぐに立ち上がれた。

 『レイヒョンどうしたの?急がないと…ってどこのちび?これ』
 『車に轢かれそうになってたんだけど、さっきから喋んないんだよねぇ。怖いのかな』

 どこからか来たもっと大きいネコさんが来て、大きな声で話しかける。

 『おーい、わかるか?コワクナイヨー?』
 『えっ⁈』

 肉球が目の前でブンブンと振り回されて、びっくりした。

 『あたまは打ってないと思うけど、お話できるかな?おちびちゃん?』
 『えっと、えぇっと……』

 なんでぼくここにいるんだっけ??

 ・・・・!!

 『ぼっく、おうっち…しんぐっ……ふっ、ふみゃあぁぁ』
 『えっ!?ちょっ、どーしたの??』
 『わっ!なんで泣くって、お?』

 そうだった。
 おうちを飛び出して、しんぐぅと追いかけごっこしてたはずなのに、ぐぅぐの「チェナーチェナー」って声がもうどこからも聞こえない。
 おうちどこ?しんぐぅどこ?

 急に怖くなって、目の前のふたりに言わなきゃって思うのに、涙がどんどん溢れてきて、声もことばにならなくて。

 どーしよう。
 おうちに帰れなかったら。ぐぅぐに会えなくなったら……。

 『ふぇ?』

 どーにもなみだが止まらないでいると、ふわっとあったかくなった。

 「泣かないんだよー。だいじょーぶだからねー」

 オンマみたいな甘い匂いじゃないけれど、いい匂いがして、ぐぅぐに抱っこされてるみたいな気がして、なみだが止まった。



 
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