Guardian
□ちょあ_side L
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バスから降りてキョロキョロしてるちいさいアタマに向かって呼びかける。
「じょんでー」
あっ!と声をあげると、たーっと駆けてきた。聞いてたとおりの勢いで、止まりきれない小さなカラダをおれもカラダで受け止める。
「なんで?どーしてるあにひょん??」
「こら、るあにヒョンじゃないだろ?」
半分脱げかけてる黄色い帽子を直してやりながらそう言えば、えへへと笑いながらルハニヒョンと言いなおす。
巻き舌のクセがあるのか、たまに出る舌ったらずを学校に上がるまでに治したいのだと、親よろしくミンソガが言っていた。
「ミンソクはハルモニの家に寄ってから来るって。だからおれが迎えに来たんだよ」
「……」
ふたりのハルモニの家とおれの家はまあまあ近い。ジョンデは仕事で両親が遅いときはそこに預けられ、親かミンソギが迎えに来るのを待つのだと言う。
それならうちにと最初に招待したのが数ヶ月まえ。おれたちが拾って来たネコがいい遊び相手になっていた。ハルモニの家のネコは年寄りで子ネコのような遊びには乗ってくれないらしい。
ひと見知りせず小さいながらよく躾けられてるジョンデをおれの母親も気に入って、菓子だジュースだ絵本だと喜んで準備してる。ミンソガは弟連れを恐縮するけど、次はいつだとせっつくほどだから、おれとしては遠慮しなくていいのにと思ってるんだけどな。そしたらもっと一緒にいられるわけだし。
「ん?どした?ミンソガもすぐ来るよ」
いつもならネコと遊べると喜ぶジョンデが、下がり眉をさらに下げている。
「ぼく…やらなきゃいけないことがあるの。だから、あの子と遊んであげられないの…」
「やらなきゃいけないこと?」
幼稚園でも宿題とかあるんだろうか?
「それにるあにひょんのお家だとぼくのおへやないから隠れられないでしょ……」
幼児に似合わぬ、はぁっと大きなため息を吐くジョンデにおれのアタマはハテナだらけになっていく。
「なんで隠れなきゃいけないんだ?」
「………ひょんに言わない?」
うなずいて見せると、意を決したかのような真剣なかおをしたジョンデに手招きされた。
「おみみかして?」