闇金短編

□お酒について
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「社長ォ、この後呑みいきましょうよ!」
仕事も終わりに近づいた時、柄崎が呑みに誘ってきた。
「名前も来ますよ!あと戌亥も!」
「…いつものとこな。」
いつもならパスするのだが、名前が行くなら行かざるを得ない。
幸も居るが、やはり男4人の中に放っておくのは心配だ。
特に柄崎は酒グセが悪いからな。
そんな事を考えながら名前を見やれば、呑気そうに笑っていて。
これからの事を考えてため息をつく。



時は経ち、場所はいつもの居酒屋。
「も〜、柄崎くん酔いすぎ!じゃま!」
ベロンベロンに酔っ払い、絡み酒を始める柄崎。
「あれ名前ちゃん、おっぱい大きくなった?」
酔ってないのにさらっとセクハラ発言をする戌亥もタチが悪い。
「戌亥くんそれセクハラ。」
名前に流すスキルがあってよかったとこういう時は思う。
「…トイレ行ってくるわ。」
とりあえずトイレに行って、戻ってきたら名前を連れて帰ろう。
幸は高田にでも送らせればいいだろう。
そう思いながらトイレに向かう。

「…なに、この状況。」
トイレから戻ってきて目に入ってきたのは、酔い潰れた柄崎と加納、高田に絡み酒をしている幸。ここまではよしとしよう。
だが、戌亥が名前の上に乗っかっているのは理解出来ない。
「あ、丑嶋くん。戌亥くんどけるの手伝って!」
「…いいけど。どうしてこうなったワケ?」
「戌亥くんが酔っちゃって、外の空気吸いに行くって席立ったんだけど、躓いちゃったみたいで」
苦笑いしながらお手上げポーズをする名前に、怒りを治めて戌亥を起こしてやる。
「おい戌亥。外行くぞ。外の空気吸って酔い覚ませ。」
そう言って一緒に外に出る。
「丑嶋くん、悪いね」
「別に。つかお前、酔ったフリヘタすぎ。引っかかんの名前くらいだぞ。」
「バレてた?」
悪びれる事なく言う戌亥に、ため息を吐く。
「まぁ、躓いちゃったのは本当だけどね。…丑嶋くん、怒ってる?」
「あ?別に怒ってねェよ。」
「…今度ブラックコーヒー奢るね」
怒っていると判断したらしく、ブラックコーヒーを奢ってもらうことになった。
名前に手も出していないみたいだし、今回はブラックコーヒーで許してやるかと思いながら、立ち上がる。
「…やるんなら、正々堂々やれ。陰でコソコソやるな。」
「もちろん。次からは正々堂々やらせてもらうよ」
戌亥の返事を聞いてから店に戻る。
次戌亥も居る呑みに行く時は、名前は自分のとなりに座らせようと考えながら名前を呼びに行く。

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