LONG DREAM

□第一話 † 出逢いの夜の満ちた月
2ページ/6ページ

 


自室のある二階から階段を降りて一階へ。
足取りはゆっくりなままに広間へ向かう。

『…やっぱり、誰か居る……』


何者かの気配があるのを感じ取り、リオウは息を飲んだ。

広間への扉の向こうに、確かに誰かが存在している。

その感覚には何処か覚えがあって…


「人間風情が楯突こうなんてバカな事考えるからこうなるんだよ。ヤダよねぇ〜、身の程知らずって」


『……っ!』


そして聞き覚えのあるその声にリオウは確信する。


扉の向こうに彼が居る事を。


そして、扉の向こうに広がっているであろう赤い、紅い光景を。


『……エンヴィー……』


「あ゙?エンヴィー『様』だろ」


『ッ!!』


扉越しの呟きを拾われてその上応えられて、リオウの体はその場で硬直した。

驚きの余り動けないリオウの前で、大きく重い扉の片側がゆっくりと開いていく。


「やぁ、久し振りだね……リオウ・アルマンディン」


にっこりと嗤うエンヴィーの白い肌には、紅い赤い斑模様。

そしてその後ろに広がる、赤ーー……





 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ