LONG DREAM
□第一話 † 出逢いの夜の満ちた月
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自室のある二階から階段を降りて一階へ。
足取りはゆっくりなままに広間へ向かう。
『…やっぱり、誰か居る……』
何者かの気配があるのを感じ取り、リオウは息を飲んだ。
広間への扉の向こうに、確かに誰かが存在している。
その感覚には何処か覚えがあって…
「人間風情が楯突こうなんてバカな事考えるからこうなるんだよ。ヤダよねぇ〜、身の程知らずって」
『……っ!』
そして聞き覚えのあるその声にリオウは確信する。
扉の向こうに彼が居る事を。
そして、扉の向こうに広がっているであろう赤い、紅い光景を。
『……エンヴィー……』
「あ゙?エンヴィー『様』だろ」
『ッ!!』
扉越しの呟きを拾われてその上応えられて、リオウの体はその場で硬直した。
驚きの余り動けないリオウの前で、大きく重い扉の片側がゆっくりと開いていく。
「やぁ、久し振りだね……リオウ・アルマンディン」
にっこりと嗤うエンヴィーの白い肌には、紅い赤い斑模様。
そしてその後ろに広がる、赤ーー……