ファンタビ

□メリークリスマス
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モデスティとお菓子屋さんに入ってみれば、店の中はクリスマス模様になっていて店一面キラキラと光輝いていた。

「綺麗……。義母さんには内緒で食べないとね」

眉を下げ、悲しそうな顔するモデスティ。かける言葉が見つからず、そっと頭を撫でる。

カランカランと、ドアベルがなり誰が入って来たことを教えてくれて、後ろを振り返れば

「あ、また会ったね」

その姿に僕の心臓を始めとする身体全てが反応する。心臓はいつもより忙しなく脈打ち、手は彼女に触れたくてしょうがないらしく少し痙攣する。

「ケーキ買うの?」

「うん!」

嬉しそうに笑うモデスティに、微笑ましい気持ちになり、First nameを見れば目が合う。

「これから、私の家に来る?えーと、帰る時間までまだ時間あるしね」

そう提案するFirst nameにモデスティはまた嬉しそうに笑い、僕たちのケーキを注文する。

「クリーデンスも大丈夫?」

その問いかけにまた声がでず、コクコクと頷くしかできなかった。僕とFirst nameの視線が絡み合う。どこか自分と彼女だけの世界が出来上がる。

「First nameのお家早く行きたい!」

久しぶりにはしゃぐ姿を見て笑みをこぼせば、First nameも優しく微笑んでいた。

First nameはモデスティの右手を、僕はモデスティの左手を繋いでFirst nameの家に向かう。

端から見て僕たちはどんな関係に見えるのだろうと、疑問に思う。兄弟?恋人?いや、家族?どんどん止まることのない想像に自然と頬が緩まる。彼女は僕のことどんな風に見ているのだろう。

そんなことを考えていれば、あっという間にFirst nameの家に着く。

お邪魔します、と言いながら家に入れば彼女の匂いが充満していた。この匂いを瓶に入れて売れば、絶体売れるだろうなぁと、可笑しなことを考えていたら

「クリーデンス?もう準備できたから早く来て」

「あ、うん」
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