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□腕にキス
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「ねぇ、まってよ」
そういって峯岸さんの洋服の裾をつかむ。
あなたは少しだけ驚く。
あなたの揺れる瞳には私が写ってて。
そして何かを察したように、私の顔に近づきそっと口づける。
触れるか触れないかの口づけは、段々と激しくなり、何度も角度を変え舌を絡めていく。
お互いの体温が唇から伝わる。
「ごめん、我慢できないよ」
耳元でいつもより低い声で囁いてくる。
いつもの峯岸さんからは感じられないくらいに、顔を赤く染めていた。
いいよ、と返事をする代わりに峯岸さんに口づけする。
「んっ、ふっ」
角度を変えるたびに峯岸さんの声がもれて可愛い。
今まで付き合ったことがないんだなぁ、と感じながらも甘い口づけをまた段々と激しくしていく。
「峯岸さん……、ベッド…行きましょ?」
「……うん」
ベッドに行くと、勢い良く押し倒される。
驚き目を閉じたが、開けてみると辛そうな峯岸さんの顔が近くにあった。
お互いの興奮した息が顔にあたり、これからそういう行為をするのだと、再認識する。
「峯岸さん…??」
「ちょっと待って」
「このままじゃ、流石に恥ずかしいよ」
だんだんと顔に熱が集まっていくのが良く分かる。
好きな人の顔がこんな近くにあるのが、恥ずかしかった。
そしてそのまま、顔を近づけ静かに口づけをした。
キスをしたまま、峯岸さんは片手で私のボタンを次々に外していく。
そして最後に腕に口づけをする。
私に恋をしていると言葉よりも雄弁に語る腕への口づけは、どこか優しく、瞬時に峯岸さんが運命の相手なのだと悟る。