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□喉にキス
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「エ、エクボっ」
はぁはぁと息があがる。
私の前には、エクボがいて先程から何度もキスを繰り返していた。
「なんだ?お嬢ちゃん」
ニィと、まるで悪人のような顔をして笑う。
「もう、無理」
「なぁーに、言ってんだぁ?まだまだこれからだろーがよぉ」
時を遡ること数十分前。
エクボと一緒に恋愛ドラマを観ていると、なかなか生々しく過激なシーンが始まった。
不安になり、エクボのことをチラリと見てみるとエクボも私のことを見ていた。
「チャンネル替えようか」
耐えきれなくなり、リモコンのボタンを押そうとしたが、エクボにリモコンをとられテレビの電源を切ってしまっていた。
「ちょっ…、何すんの?」
「おい、名無しさん」
そういうと耳元に息を、ふぅっとかけられる。
腰のあたりがくすぐったくなり、びくっと体が反応してしまった。
「なんだ、感じてんのか。そんなら俺様も本気だすぜ」
といい放ち今にいたる。
「名無しさん、好きだ」
まるで猟銃に捕まりそうな、兎になった気分だ。
きっと、もう最後までしないかぎり離してはくれないのだろう。
その漆黒の瞳を見つめながら、そう思った。
「余所見するなよ?」
喉に噛みつくような口づけをされる。
その口づけから伝わってくるあなたの激しい欲。