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□髪にキス
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「ショウくん?」

私の部屋にショウくんがやってきた。
しかし、やることがなくお互いに本を読んでいるとショウくんが私の背中に背中を合わせてきた。

「あの、重いんだけど……」

「んー?」

背中を合わせ私に体重をかけているため、とても重い。

しかし、私のことなど気にせずからかっているのか、もっと体重をかけてきた。

ショウくんと触れあっている背中から、ショウくんの鼓動が聴こえてくる。
いや、これは私の鼓動の音なのかな?
そんなことさえ分からないほどに、鼓動の音が大きかった。

なぜか、とっても愛しい感情が芽生えて思わず

「ショウくん、すき」

なんていったら、ショウくんは

「ばっ!ばかっ!んなもん、知ってるよ、いちいち言わなくてもいーから!」

背を合わせているため、ショウくんの顔は分からないけど先程より鼓動が速い。
きっと、照れているんだと思いくすりと笑う。

「笑うなよ…」

いじけたのか、また体重をかけてきた。

「重いよー」

「うるせー」

こうやって、ショウくんといる世界はとても楽しい。
もっとこうしていたいと願うほどだ。

「ずっとこうしてたいなぁ」

「俺も」

本心を口にするとショウくんも同じ気持ちだったようだ。

背中がいきなり軽くなったから、後ろを振り替えるとショウくんがこちらに体を向けていた。

ショウくんの手が伸びてきて何をされるのか、一瞬戸惑う。
すると、その手は私の髪に向かい髪を、指にからめ遊んでいるようだった。

「引っ掛かるからやめてよ」

「俺名無しさんの髪好きだ。なんかキラキラしてて思わず触りたくなる」

そういうと、髪に絡めて遊んでいた指を下にさげ毛先で止まったかと思うと、私の髪を唇に近づけそっと口づけをする。

「髪にキスする意味しってるか?」

「うん」

髪への口づけは私を慕っているのだとはっきり伝えてくれた。
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