物語

□【ある日の出来事】
1ページ/3ページ



結婚してはや三ヶ月。
結婚の意味や男女間の事や恋愛感情さえ今まで未体験だった夫 孫悟空。
しかし結婚当初に比べて徐々にではあるが妻への恋愛感情が芽生え、ついに昨晩 初めて体を重ねた孫夫婦であった。
そしてこの出来事を境に妻への愛情が一気に膨れ上がり、今までの接し方とは明らかに変わっていく夫である。








ピピピピピピピ…


毎朝セットしている目覚まし時計が起床を知らせる。
チチは少し気怠い体を起こし目覚まし時計のスイッチを止め、ふと横を見ると夫が気持ちよさそうに布団にくるまって眠っている。
チチは昨晩の出来事が頭を過り、恥ずかしさのあまりそそくさとベッドから抜け出し寝室を出た。







チチが朝食の支度に取りかかり、暫くして家中には料理の良い匂いが立ちこめると夫はその匂いで目覚め、キッチンへと向かった。



「おはよう、チチ。旨そうだな〜」



「お…お…はよ」



チチは次々とテーブルに料理を置くが、何故か夫と目を合わさない。
いつものチチならキチント目を合わせ朝の挨拶をし、手際よく料理を並べてく。そして必ずその後は「悟空さ、顔洗っただか?」の一言がくはずなのだが、今日に限って挨拶だけで終わってしまった。




「おっといけねぇ…オラ顔洗ってくる!」



「う…うん」



尚もチチは目を合わせない。
そんな妻に少々不自然さを感じてはいたが、悟空はあまり気にせず洗面所に向かった。
顔を洗った後、再びキッチンに戻るとテーブルには料理が用意されていた。



「「いただきます!」」




食べ始めてから数分が経過したが、食卓は悟空のガツガツと食べる音だけ。
いつもならチチがベラベラと話しかけてくるが今日は静かだ。さすがの悟空もこれには不自然さを感じ、食べながらチラッと妻を見るが、妻は黙々と食べている。
チチは怒ってるのか?と一瞬思ったが、これといって怒らせた理由はないしチチが怒った事など一度もなかったので、お得意の「まっいいか!」で片づけてしまった。





.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ