物語
□【父ちゃん】
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「おめでとうございます、ご懐妊です。」
「ごかいにん」って何だ?
オラはチチに聞こうとしたんだけど先生から「ごかいにん」ちゅー言葉を聞いた途端、チチのやつ すげぇー 嬉しいそうな顔してオラの方みっから、思わず聞きそびれちまった。
オラは今、チチと一緒に「さんふじんか?」ちゅー病院に居んだけどよ、帰りの金斗雲でチチに聞きゃーいいかって思ったんだ。
「なぁ、チチ。」
「何だべ?」
「ごかいにんって何だ?」
「……えっ?!」
さっきまで嬉しいそうだったチチの顔から笑顔が消えちまって オラ、マズイ事言っちまったかと思った。
「……ご懐妊はな、おらと悟空さの子供が出来ただよ。」
「博q供?!何処にいんだ?」
「子供はな、おらの腹ん中にいるだよ。」
「おめぇの腹に…か?」
オラはチチの腹を凝視したけど、ペッタンコのチチの腹ん中にどうやって子供がいるんか不思議でしょうがなかった。
チチが自分の腹に手ぇ当てて話すと、さっきみてぇに すげぇー嬉しいそうなチチに戻ったから、オラも何だか すげぇー嬉しくなっちまった。
「やったな、チチ!」
「んだ♪悟空さも嬉しいだか?」
「当たりめぇだ。」
「なら良かっただよ。おらがさっき子供が出来たって言ったら、悟空さ驚いてたべ?だからおら、悟空さは おら達の子供出来て嬉しくねぇのかなって思っただよ。」
「悪りぃ悪りぃ、そーゆー つもりで驚れぇたんじゃねぇよ。不思議だな〜って思ったんだ。」
「確かに不思議だ。だども不思議より神秘だべな。なぁ、悟空さは男の子と女の子どっちがええだか?」
「うーん、オラどっちでも構わねーよ。チチ、おめぇは?」
「おらもどっちでもええだ、元気な子ならどっちでもええ。」
「違げーねぇな。元気な子だったら一緒に修業出来るしな!」
「狽ヲっ!!!修業する…だか…υυυ」
何でだか知んねぇーけど、チチの顔は引きつってた。
でもオラは、早く子供と修業したくてワクワクした。早く子供に逢いてぇて、さっきよりも強く思えた。
オラ達の子と何して遊ぼうかとか、金斗雲で何処に連れて行ってやろうかとか…想像すればする程 待ち遠しくて堪らなくなっちまって、この幸せを早くじっちゃんに伝えたくなった。
そして、オラ達の子供に じっちゃんの形見をやろうと思ったんだ。
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