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□Good-bye days
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Good-bye days





俺はほとんどベッドでしか生活していない。
だから部屋の中はぐちゃぐちゃ。
そのことを以前花井くんに指摘されてから、部屋を片付けようと思い立ちやっと今に至る。

そうして見付けた、ボロボロの子供用グローブと、軟式用ボール。
コレはどっちも俺の宝物だ。

野球を始めるきっかけになった、小学生の頃ギシギシ荘で浜ちゃんからもらったお下がりのグローブ。

そしてあの日、中学のあの時、雪の中で修ちゃんからもらったボール。

浜ちゃんの笑顔。
泣いてた俺以上に、泣きそうだった修ちゃんの顔。

グローブとボール。
楽しかったあの時と、苦しかったあの日々。

どっちももう戻って来ない。
やり直しもきかない。
俺はそれらをそっと撫でる。
そしてボールを手に取り、掌の上で転がす。

「野球辞めんなよ!お前が今までやってたのは違うんだよ!」

思い出す修ちゃんの言葉。
ボールに書かれた文字を読む。

Good-bye days...

そうして反対の掌をギュッと握り締めた。

いつも俺の手に甦る、阿部くんの手の温度。

…and Hello new days.

失ったものもたくさんあるが、代わりに手に入れたものも、それ以上にたくさんある。

俺の新しい日々は、まだ始まったばっかりだ。





END

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