キリ番小説
□you 心論
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三橋の様子がなんだかおかしい。
…いや、まともな三橋ってゆうのが一体どうゆう三橋だかはよく分からないが。
なんだか今日はやたらと三橋の視線を感じるのだ。
俺が三橋の方を見ていない時、三橋がこっちをじいっと見ている気配を感じる。絶対俺を見ている。
you 心論
何なんだ、一体?!普段は俺がこっちを見て欲しくても、オドオドキョドキョドして全然俺の方を見ようとしねぇのに。
そのくせ、俺が視線を感じて三橋の方を振り向くと、フイッと俺から目を逸してしまう。
そしてあらぬ方向を向いたり、俯いたりしているのだ。あからさまに。
何だ?顔が思いっ切り明後日の方向を向いているのはワザとか?ワザとなのか?
ええい、くそ!訳が分からん。これじゃ練習にも集中できやしねぇ。
そんな三橋の態度に俺はいつも以上にイライラしてしまい、なんとか三橋と目を合わせようと、三橋の顔をじっと見詰める。
お。目が合ったぞ。
俺と三橋の視線がかち合った途端、三橋はバチバチッとおおきく瞬きをし、ビシーッと背を伸ばした。
そしてその顔は、みるみる内にカァーッと耳まで真っ赤に染まってゆく。
はぁ〜?なんだ?俺なんかしたか?
凝視し続けると、三橋はグローブで一生懸命真っ赤な顔を隠し、コソコソと俺の視線の届かない所へ移動しようとしている。
挙、挙動不審過ぎるぞ…。いつも以上に。
もうその日はホントに、三橋のことが気になって練習に集中することが出来なかった。
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