進撃の二次創作

□2.擬態
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救護のふりをしていると大きな声で団長!?と呼びかけている声が聞こえてきて思わずその発信源をたどる。



「聞こえますか団長!?」



「まずいぞ意識が!!」


「早く運べ!!」
駐屯兵団の者たちが叫ぶ。



私は団長とやらの行く先をずっと見ていた。




するとどこからか助けてくれだの俺が生きてるなんてだの絶望を見てきた者たちが言う。




しばらく意味もなく突っ立っていると、私にとっては寝耳に水な言葉が聞こえてきた____。




「巨人を操ってやる」




「ウォール・マリアも塞ぐ」






_________その言葉に私の体は凍りついた。
何だって?巨人を操る?私が通ってきたあの壁も塞ぐだと??




それができるのか。本当に?もしかして、座標…?





なんてこった、私は幸運だ、幸運に恵まれすぎている。笑いが抑えられない。手で口元を抑え、もう一方の手は腹を抱えるようにすることで精一杯だ。




それが負傷兵のしている行為と似ていただからなのだろうか、ある者が近づいてきた。




「お、おい大丈夫か…?」




「怪我をしているところは腹か?」




声のしている方向に目を向け、顔を上げる。その者の特徴は悪人面で少し…馬面か?





「どこも怪我していない。」




「良かった、さぁ重症兵を下まで運ぶリフトまで運びに行こう。」




「それにしてもあんた新兵か?熟練兵士のなかでは見ない顔だが…。」





この男の目つきは何かを見ようとしているのか、鋭く感じた。それと死線をくぐり抜けているような見たことがある悟ったような顔。こいつは新兵か?違うのだろうか。だがそれよりも無難な言葉を…考えろ。




「未熟な新兵です。巨人に喰われないよう必死で…怖くて」




「あんたも俺ら104期同様悪運が強い仲間か、って新兵だから同じ104期だったよな」




「はい」




心臓の拍動が大きくなってくる。
同じ104期なら見知らぬ顔がいることに疑問を持たれてないだろうか。




「もしかして駐屯兵団から調査兵団に最近変えた口か?これが初陣だったり?」




「そうなんだよ…ハハッ間違えちゃったかな」




すると悪人面は目と口元を緩ませ、



「違いねぇ。俺も今でもこっちにしたこと後悔するときだってあるぜ。けどここで良かったとも今だからこそ思える」




「…て名前がまだだったな、俺はジャン・キルシュタイン。あんたは?」




「私はカタラ・ユークリス。よろしく」




ひとまずは切り抜けた…気がする。重症兵をリフトまで運び、彼とは別れる。







__________






調査兵団本部へと戻った。重症兵を救護室に運んだあと、各自自室にもどるらしい。


そういえば自室はどこにあるんだ。この兵服の持ち主は誰なんだ。ああこの壁内の文献も読みたい。早く団長とやらにも会いたい。ぐるぐる思考をかけ巡らしながら、まずこの兵服が男女どちらのものか特定しなければ兵舎に戻れないことに気づいた。





そういえば!!軍人時代のことを思い出してすぐ兵服を脱いで確かめる。_________あった!!



悲しいことに男の名前で、マーク・スチュワードと刺繍されていた。



だが、巨人によって女の兵士も少なからず死んだだろう、それを何らかの方法で特定すればいい、そうだ__。行動しなければ始まらない。女の兵舎のところに女兵士が行く流れに身を任せて進んでいった。





目の前にいるポニーテールの女兵士に死んだ女兵士で特定できた人はいるか?と聞き、名前を聞いた。知ってる限りですが、____しか分かりません。それになぜ聞くのでしょうか?と問われて私の友人がトロスト区にいたときから見当たらない、そしたらちょうどあなたが言った名前だった。悲しいが覚悟はできている。その子の部屋の整理がしたい、手伝ってはくれないか?と問う。驚いた顔でもちろんですとも!!と元気な声で応えてくれる。





その女兵士がある部屋に入って
「では遺品整理しますか!」




質素な部屋だった。あまり物を置かない女兵士だったようだ。




「そういえば私104期なんですけどあなたの顔は初めて見ました」




心臓が、とまる。まずい。私の存在がバレて新兵に知れ渡っても私にとって良いことなんて何1つない。




「私も104期だけど…」




考えが浮かばず言葉を詰まらせると、女兵士は何か気づき



「あ!もしかしてトロスト区以外の104期ですか!?すごいなぁ_____は!違う区の104期生と仲良しだなんて凄いですね!…えっとあなたの名前は何でしょうか?」




「カタラ・ユークリス」




「私はサシャ・ブラウスです!よろしくお願いしますね」



「よろしく」







_________________







「あ!少しやることがありますのですみませんがここで切り上げますね!」



「手伝ってくれてありがとう」




「いえいえ!では!!芋を食べに行かなければ!」
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