夢のお話
□竹から生まれたとびおくん
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「で、どういう事だねこれは」
あくまでにこり、という顔をした男が、菅原の前に仁王立ちする。
因みに当の菅原は正座だ。
「いやね大地。これはね、大地以外の奴と浮気した訳でも無くね。そこで拾った子なのね。」
慌てる菅原の呼ぶ、大地という男はサラリーマンだ。
某商業会社で働くその男、澤村大地は、竹を切るだけの菅原とは違う。現代社会の例のようにPCとにらめっこしている毎日だ。
何で男同士が同棲、という質問は受け付けない。
ところで、久々の有休なので家でのんびりしていたら、見知らぬ子供をおぶって帰ってきた菅原だ。
そりゃ、浮気疑惑も沸くだろう。
「どうやったら拾うんだよ…」
「ほら、竹を切ってたらにょっきり
「某竹を取る物語か!!」
澤村は一向に信じない。
しびれを切らした菅原は、背中の鞄からいそいそと竹を取り出した。
飛雄の入っていた、金の竹だ。
「…それはっ!!」
「金の竹だよ。これで信じるよねっ★」
舌をペロリっと出してウインクする菅原に、澤村もあきらめたようだ。
「仕方ねぇなぁ…じゃあそいつ名前は?」
「飛雄だよ!!と、び、お!!」
飛雄を持ち上げて抱き締めると、飛雄は苦しそうに眉を寄せた。
「じゃあ鬼退治に行かせないとな」
「それ話違う」
さて、これから飛雄と菅原と澤村はどうなるのだろうか__…。
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翌日。
小鳥が歌うような清々しい朝であった。
「大地大変!!飛雄が!!」
「何をしたんだ!!」