傷から芽生える

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結果、陣太は先生に捕まり、燐火は盛大にボコられ、山神さんは恥ずかしい思いをせずにすんだ。
そして、高倉交渉(仮)。
陣太ははじめから怒られると思っていたわけだが実際は燐火が親と喧嘩して何もせずに終わった。
次に三人による密会では相互の意思確認と燐火と山神さんの仲直りさせた。また、最後に陣太が燐火にそれとなく自分が攻められないように協力を仰いだ。
実はここまでほぼすべてが陣太の手の中だったりする。
そして、最後。
燐火のせいで色々狂った。
例えるなら、将棋で相手を積ませる為に駒をそろえていたのにその盤をひっくり返され勝負をなかったことにさせた。
燐火が全部カミングアウトしたせいで陣太がほぼ全部の責任を背負うつもりだったのに、燐火と陣太の二人で背負う事になった。
自分の説教が増えたわけではないので別にいいのだろうが自分の思い通りにいかなかったのが嫌なのか陣太は苦い顔をしていた。
ザマア見ろって言ってやったよ。
そして、もう一つ。
陣太は今回のことで高校への推薦がなくなった。
しかし、これに対して陣太は苦い顔をしなかった。
澄まし顔どころか満面の笑みで語ってくれたよ。
実は推薦の高校は陣太が望んだものではなく、母親の希望だった。
それに対して反抗できたことが陣太は嬉しかったらしい。
けど、おかしくねえか?
親の意見が気に入らないからってこんなささやかすぎる反抗をするなんて。
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