傷から芽生える

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「…なるほど。
もう、その時点でかなり悪い奴だね。
で、具体的に君はどうしたの?」
「文房具を盗んだり、ノートを捨てたり。」
「ハハハ。
で、どうだった?
それで君の嫉妬は収まったかい?」
「いや、収まんなかった。
逆に男子共が同情し始めて更にウザくなった。」
「だろうね。」
先輩はすべて分かったように笑いながら言う。

嫉妬し続けた私はついに強硬手段に出た。
私は先生がいなくなる昼休み、生徒がたくさんいる廊下でわざと倒れたふりをしてスカートをズリおろした。
チャックの壊れたスカートが足下に来ると彼女の下着が丸見えになった。
ピュアな彼女はそれを確認すると廊下に落ちたスカートを回収し、トイレに逃げ込んだ。
私は立ち上がり勝ち誇った笑みを浮かべた直後、後ろから近寄ってきた早川に全力で殴られた。

彼はその後すぐ先生につれられ、私は病院に送られた。
その後家に帰る前に先輩の家に立ち寄った。そして、今に至る。
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