傷から芽生える

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始まりは夏、ある生徒の転校がきっかけだった。
転校したのは大平という生徒だった。
その生徒にはとても仲のいい友達がいた。
そのこの名前は山神ユリ。
暗いイメージがあるがとてもかわいい女の子だった。
男子とは一切喋らず、女子も大平以外とはあまりしゃべらない子だった。
しかし、大平が転校したことにより彼女は気が変わったのか男子としゃべるようになった。
元々かわいい彼女に男子は友好的に接し、いつの間にかラブレターを受け取ったりしていた。
私はそれに嫉妬した。
自分もクラスの中で人気があったがそれは人望などではなく努力によるもの。オシャレやコミ力、流行など私は努力して周りと関係を作っているのに、何も努力していないのに周りからチヤホヤされる彼女がねたましかった。
私はクラスのみんなに顔が効く。そこで腹いせ、復讐を始めた。
具体的には山神をクラスの連中に無視させた。
しかし、それはあまりうまく行かなかった。
なぜなら今日、私を殴り飛ばした本人、早川陣太が山神に見方をしたからだ。
彼は私と同じようにクラスに積極的に貢献し、人脈が深かった。
私のように裏などなく、優しさと親切心の固まりである彼に人が集まるのは当然なので私も対抗意識は持っていない。
彼は彼女に普段通りに接し、私にいい加減にしろよと言いながらもふだんと変わらないように接した。
私は自分の計画がうまく行かないことに苛立ち、イジメを強めた。
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