傷から芽生える

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まあ、ある意味全部真実なので否定のしようがないが親と先生は理解がおいついついないようだった。
まあ、被害者と思っていた娘が加害者だと言うことを本人の口から聞いたら混乱するのは当然だろう。
それどころか直接関わっていた僕でさえ混乱している。
父親は呆然とし、先生は状況を整理するためか僕らに確認をとる。
そして、やっと再起動した高倉さんの父親がおそるおそる訪ねる。
「つまり、お前が殴られたのはおまえのせいだったてことか。」
「うん。」
彼女は悪びれずにそう言った。
そして高倉さんの隣ではいじめられた本人であるユリちゃんが小さく笑っている。
「早川君。
それはほんとうかい?」
「あ、はい。
殴ったのは悪いと思ってるんですけど本当です。」
「分かったでしょ、パパ。
だからこの話はこれで終わり。」
「いや。
だが、お前も殴られたんだろ?」
「だけど何?
早川が私の彼氏だって言えばパパは見逃してくれる?」
「ハ!?」
高倉さんの父親が何故驚いたのか僕には一瞬、理解できなかった。
しかし、彼が獣を狩る目で見てきて遅蒔きながら理解する。
「いや、待ってください!
今のはもしそうだったらっていう仮定の話ですよね!?」
弁解はするが信じてくれてないご様子。
これでまたカオスの密度がおかしな位増えた。
隣の先生を横目で伺うが考えることを放棄していた。
(高倉さんは何を考えてるんだ!?)
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