奇妙珍妙紀行
□恒例の。
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「ねむくなっちゃったー...」
「じゃあ沸いてるから先にお風呂に入ってきなさい」
「ひとりじゃはいれないもんー」
『何だとッ!?』
どうやら思考回路は年相応になっているらしい。
「そうかそうか!じゃあこのヴァレンタインといっしょに入ろうねぇ〜」
「あなたは絶対にダメです!」
「うおっ!いつのまにドッピオに!?」
拗ねたディアボロが交替したようだ。
「入れるなら僕かプッチさんが妥当だと思います」
「なかなかわかってるじゃあないかドッピオ」
プッチさんが感心する。
他の人はせしるに対して穢れた心を持っているので(カーズは微妙だが)ナイスな判断だと言えよう。
そして風呂は年の近いドッピオが請け負うことになり──
「せしるー、シャンプーを流すからしっかり目をつぶっておいてくださいねー!」
「はーい!」
カーズから借りたシャンプーハットを被ったせしるが元気に返事をする。
「せしるって高校生の記憶はあるの?」
「なんで?わたし5さいだよ?」
「うーん...どうして僕の名前覚えてるの?」
「わかんない!」
「そっかあ...」
スタンドの仕組みがいまいちわからなくて首を傾げる。
「ねえねえ、せしるはこの家の中で誰が一番好き?」
出来心で話題を変えてみる。
(ボスだったらいいんだけどな...)
「いちばん?
うーん、うーーーん...」
せしるが考え込んでしまった。
(ちょっといじわるだったかな...)
─────────
「さぁ、そろそろあがりましょうね」
「うんー!」
特に事件も起こらず無事にお風呂を終えた。